国際通りは映画館から命名された!幻の映画館痕跡めぐり

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★体験レポート ~青木さなえさん!!

2年半ほど前、私が出演した映画がここ那覇で上演された桜坂劇場。
平和通りから一本入った路地にあるこの劇場にふと立ち寄ってみた。

そこに“那覇まちま~い”「まぼろしの映画館痕跡めぐり」の貼り紙が。(残念ながら、夏季限定で終了してしまいました。)

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これ、参加してみたい(-^□^-) ちょうど今週あるじゃん!

ということで早速ツアーに参加してきました。

 

まず“那覇まちま~い”とは
那覇の歴史や文化に詳しい地元ガイドさんと一緒に、那覇のまちを歩いて巡るまち歩きツアーのこと。

ちなみにコースは常時20~30ほど。様々な面白いコースがあるのだ。
時間は2時間ほど、参加費も1000円~とリーズナブル。

今回、私が参加したのは、かつて那覇中心部にあった“まぼろしの映画館の痕跡”を専門家の解説とともに巡るツアー(所要時間2時間/2,000円)。

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ガイドは、『沖縄まぼろし映画館』の著者である平良竜次さんと當間早志さんがガイドしてくれた。

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まずは地図を渡され、そこには今は無き映画館があった場所が記載されている。

今回は国際通りを中心にいくつかの映画館の痕跡をまわったが、書籍には現在わかってるだけの沖縄県内の映画館の痕跡の地図が載ってるらしい。

かつて沖縄には、そこかしこに映画館が建ち、どの小屋も連日大勢の観客で押すな押すなの盛況ぶりだったという。

1960年には、その数なんと120館。 そして時代の流れとともに映画館が次々と閉館していく。

 

どこの街からも映画館が消えていくのが悲しい。

第二次世界大戦で大きな被害を受けた沖縄にとって、傷ついた人々の心を癒したのが芝居や映画などの芸能文化だったそうだ。

戦後、民間人たちは北部の収容所に集められ、苦しい捕虜生活を送る人々にひとときの娯楽を提供したのだ。
役者たちによる芝居公演は行く先々で熱烈な歓迎を受け、収容所を巡回して行われたフィルム上映は人々の心を捉えた。

やがて、芝居や映画のための露天劇場がつくられ、さらにテント屋根、瓦葺き、木造の館ができ、沖縄は映画の黄金期に向かって走りだす。宮城嗣吉・高良一・国場幸太郎・宜保俊夫ら、希代の〈映画人〉たちの活躍もあって、1960年のピーク時には館数が120に至ったという。

映画館のある周辺は多くが繁華街として賑わい、「国際通り」「沖映通り」などのように、通りの名称も映画館から名づけられたことも多い。

 

つまり映画館は、沖縄の復興の『礎(いしずえ)』となったといっても過言でもない。

「まぼろしの映画館痕跡めぐり」は国際通りのてんぶす那覇前広場からスタート。

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戦後、那覇周辺は米軍が陣取っていたが、高良一氏が映画館の興行に目をつけ、ここの土地を買い付け、1948年1月21日そこに「アーニーパイル国際劇場」を建設した。 まさにここ“てんぶす”の建っている場所だ。

「国際通り」とは、実はこの映画館から名付けられたそうだ。

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『アーニーパイル国際劇場』に隣接してオープンしたのは『平和館』。オーナーは『アーニーパイル国際劇場』と同じ高良一氏。

二つの劇場がくっついた映画館だ。これが今で言う“シネコン”のはしりだね(^o^)。

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当時の名残がこの路地。

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こういう場所が当時を思い起こさせる証拠になっているわけだ。

また沖縄で初めてカラーフィルムの映画が上映されたのもここ。

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「平和通り」の名は、この劇場の名称から由来しているらしい。

つづいて、国際通りを牧志方向に歩いた一本先の「オリオン通り」。

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そう、ちょうど昨日訪れた『国際通り 屋台村』があった場所に「グランドオリオン」という映画館があったという。

ここの劇場は2002年に休館。リニューアルして、映画館としての再開を予定していたが、10年以上建物もそのままで残されていたにも関わらず、構想は立ち消えとなってしまった。

映画館をこよなく愛するガイドのお二人は、こんな事情から跡地にできた屋台村ではなかなかお酒を飲めないという。

だったらどうだろう?ここに屋外の映画館を作ればいい。

昔の映画館がそうだったように、映画のスクリーンをこの屋台村に建てて、お酒を飲みながら映画を鑑賞する。新旧一体でより素敵な場所に生まれ変わるんじゃないだろうか。

那覇国際通りのへそ“むつみ橋のスクランブル交差点”。

現在、ここには橋なんてどこにもないけれど、ここには実際に“むつみ橋”があったという。

そして驚くべきことに、市場本通りと平和通りの間の「むつみ橋商店街」と「ガーブ川中央商店街」店舗の下には、今もまだ川が流れてるんだとか(・∀・)。

川にフタをしてその上に店が建ち並んでるなんて、知らなかったら誰が思うだろう。

国際通りは戦後の混乱期に闇市があった場所だったが、時を同じくして、またぐように水上店舗として多くの小売店が商売を始めたのが事の始まりで、ガーブ川にも闇市が形成されたんだね。

しかも川の上に…

その当時、豪雨で川が氾濫すると店舗ごと濁流に流されることもしばしばあったそうだ。

生活排水が流れる川は衛生面や環境面で問題があり、また那覇市の開発事業計画と政治的な背景も関わり、現在のガーブ川中央商店街とむつみ橋商店街が作られたというわけ。

 

ここは長屋の店舗の端っこ。
むつみ橋からここ開南まで続いている。

国際通りの中心、ずっと沖縄三越があった場所(現在「HAPiNAHA(ハピナハ)」)にあったのが「沖縄東宝劇場(大宝館)」。

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ここは出来た当初一年足らずで火災にあい、他の場所に移っている間に他のオーナーが買い取り、なんだか色々と複雑な歩みを辿った映画館だ。

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南映劇場(南映館)

松尾公園のこの場所にも『中央劇場』という映画館があった。

 

山の斜面を利用した円形の露天の劇場で、1947年3月20日に梅劇団(団長・伊良波尹吉)がこけら落とし公演を行っている。つまり1948年にオープンした『アーニーパイル国際劇場』よりも早くオープンしていたが、その頃はまだ、米軍政府の正式な認可を受けておらず、興行を行っていたのも演劇のみ。
正式に開館したのは『アーニーパイル国際劇場』開館から3ヶ月ほど後れて、映画も上映するようになった。

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つまりは、もしここが正式にオープンしていたならば、ここの場所が繁華街となり、街の中心になり、高良一に代わり仲井真元楷が、財界のトップになっていたかもしれないということだ。

現在は国際通りに程近いとはいえ、閑静なエリアだ。

ちなみに1950年5月13日に有蓋(トタン屋根)の劇場として再オープンしている。

そして最後に桜坂通り。

この場所にあったのが『オリオン座(桜坂オリオン)』。

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1997年に閉館されたが、しばらく建物だけが残り、2007年取り壊されたらしい。そして隣が本日の最後の劇場『桜坂劇場』。ここだけはまだ現存してる劇場だね。
こうやってどんどん消えていく映画館の中で、唯一残ってる貴重な劇場で自分が出演した映画が上映されたことがとても嬉しく思う。

まぼろしのように消えた映画館を探すまち歩き。映画と経済との係わり合い。映画館の栄枯盛衰が街づくり、人々の生活にも深く関係しているのがわかる。

今回このツアーに参加し、ガイドの平良さんと當間さんの映画に対する熱い思い、そして映画館の追跡を辿りながら、沖縄の歴史にふれ、また違った沖縄の街が見えてきた。

映画館、これ以上なくならないで。私は小さい頃から映画を観にいった。そして映画女優になりたかった。

映画館がなければ、どんな名作でも観てもらうことは出来ない。監督にとっても役者にとっても映画が上映され、観てもらうことが最終の目的なのだ。
その場所をどうか、奪わないでほしい。

★沖縄まぼろし映画館』追跡巡りで訪れた場所★
アーニーパイル国際劇場/平和館⇒グランドオリオン⇒沖縄東宝劇場(大宝館)⇒南映劇場(南映館)⇒沖映本館ニュー沖映⇒国映館(世界館)⇒那覇劇場⇒開南琉映館⇒中央劇場⇒大洋劇場(琉球映画劇場)⇒オリオン座(桜坂オリオン座)⇒桜坂劇場

 

まちまーいには、特色のあるコースがたくさんあります。人・まち・出会い、再発見 那覇まちまーい

文:青木さなえ

体験レポーター青木さなえさんのプロフィールです!

sanaeセブンティーンの専属モデルや、CM、スチールなど、ティーンズモデルとして活躍する中、16歳の頃、日本テレビ年末ドラマ「なんて素敵にジャパネスク」新人オーディションで4万8千人の中からグランプリ受賞、ドラマデビュー。その後、TBS『土曜深夜族』エンジェルスのメンバーとしてレギュラー 出演。芝居以外にも歌・ダンス・お笑いにも活動の場を広げる。 現在、フリーになり、女優業を中心に活動中。プライベートでは世界各国を旅をし、貴重な体験を持つ。詳しくはブログ“sanakoのモト”をご覧ください




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