令和4年に沖縄県は復帰50年を迎えます。沖縄復帰50年を記念した特別展「琉球」が、東京国立博物館平成館と九州国立博物館にて開催されます。特別展「琉球」では、古琉球時代の交易の様子を伝える出土品や歴史資料、そして琉球王国の伝統的な技を蘇らせた模造復元作品などを展示され、「万国津梁の鐘」は初の県外展示となります。
目次
万國津梁の鐘(旧首里城正殿鐘)は琉球王国時代の1458年に尚泰久王が鋳造させた和鐘で、沖縄戦で消失・破壊された文化財も多い中で、現在でも残っている国指定の重要文化財です。かつて琉球王国が、東アジア世界と東南アジアを舞台に大交易をくりひろげた中で,万国の「架け橋」として活躍したことを、首里王府は「万国津梁(ばんこくしんりょう)の鐘」に誇らしげにきざみ,首里城正殿前につりさげました。
そして「万国津梁の鐘」には、以下の文句で始まる銘文が刻まれています。
『琉球國者南海勝地而 鍾三韓之秀以大明為 輔車以日域為脣歯在 此ニ中間湧出之蓬莱 嶋也以舟楫為万國之 津梁異産至宝充満十方刹(琉球国は南海の勝地にして三韓の秀を鍾め、大明を以て輔車となし日域を以て脣歯となす)』
刻まれた文章の意味は「琉球国は南海の恵まれた地域に立地し、朝鮮の豊かな文化を一手に集め、中国とは上アゴと下アゴのように重要な関係にあり、日本とは唇(くちびる)と歯のように親しい関係をもっている。この二つの国の中間にある琉球は、まさに理想郷といえるでしょう。よって琉球は、諸外国に橋をかけるように船を通わせて交易をしています。そのため、外国のめずらしい品物や宝物が国中に満ち溢れています」という内容で、東アジアから東南アジアを自由に行き来した王府の自信と誇りが記されています。
鐘銘文を記したのは相国寺の渓隠(けいいん)という和尚で、この「万国津梁の鐘銘文」は、海外に雄飛する沖縄の象徴として現代でもよく引用されています。
令和4年に沖縄県は復帰50年を迎えます。沖縄復帰50年を記念した特別展「琉球」が、東京国立博物館平成館と九州国立博物館にて開催されます。
会期:2022年5月3日(火・祝)~6月26日(日)
会場:東京国立博物館平成館(東京都台東区上野公園13-9)
開館時間:午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
交通:JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、東京メトロ千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
会期:2022年7月16日(土)~9月4日(日)
会場:九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)
開館時間:午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日)、年末
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
交通:※ご来館の際は、公共交通機関をご利用ください。
【西鉄電車】西鉄福岡(天神)駅から西鉄天神大牟田線(特急約16分/急行約18分)で西鉄二日市乗り換え、西鉄太宰府線(約5分)で西鉄太宰府駅下車、徒歩約10分 ※特急/急行料金不要
【JR】JR博多駅からJR鹿児島本線(快速約15分)でJR二日市駅下車、JR二日市駅から西鉄二日市駅(徒歩約12分、バス約6分)、西鉄二日市駅から西鉄太宰府線利用
【西鉄バス】博多バスターミナル(1階11番のりば太宰府行き)から西鉄太宰府駅下車(所要時間約40分)、徒歩約10分
【車】※駐車場(有料)には限りがございますので、予めご了承ください。
九州自動車道=太宰府ICまたは筑紫野ICから高雄交差点経由で約20分
福岡都市高速=水城出口から高雄交差点経由で約20分
タクシー利用=JR二日市駅から約15分・福岡空港から約30分
かつて琉球王国として独立した国家であった沖縄は、明治以降の近代化や第二次世界大戦などを経て、現在もなおその歴史と文化を継承しています。特別展「琉球」では、琉球国王・尚家(しょうけ)の400年にわたる貴重な宝物、いわゆる古琉球時代の交易の様子を伝える出土品や歴史資料、そして琉球王国の伝統的な技を蘇らせた模造復元作品などを展示し、琉球王国の成立と、その文化の形成・継承について紹介します。
◆沖縄復帰50年記念特別展「琉球」の公式サイトはコチラです。
那覇市おもろまちにある「沖縄県立博物館・美術館」には、旧首里城正殿鐘(万国津梁の鐘)をはじめ、15世紀に鋳造されたものを中心に、なんと16件もの鐘が収蔵されています。
ちなみに「万国津梁の鐘」は、2022年4月1日からは特別展「琉球」に展示されるため、しばらくの間は見る事ができません。
沖縄県立博物館・美術館の公式サイトには、学芸員による展示解説動画を公開中。「万国津梁の鐘」の解説動画もありますので、ぜひご覧ください。
首里城の中に、「首里城正殿の鐘」が置かれているのをご存知でしょうか。「首里城正殿の鐘」というのが、別名「万国津梁の鐘」のこと。現在、広福門前の広場の片隅に供屋(ともや)という建物があり、その中に万国津梁の鐘のレプリカが展示されいて、無料で見学できるエリアにあるので、首里城を訪れた際にはぜひごらんになってくださいね。