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沖縄の銭湯は「中乃湯」1軒だけ。シゲさんとゆんたくしよう!

沖縄の銭湯は「中乃湯」1軒だけ。シゲさんとゆんたくしよう!

ピークには300軒ほどのゆーふるやー(銭湯)があった沖縄県。2014年5月に那覇市の日の出湯が廃業したことから、沖縄市の中乃湯が唯一残った銭湯になりました。中乃湯を守るのは仲村しげさん。フロントに座らず、入り口のベンチで出迎えてくれます。

しげさんとゆんたく

1960年に夫が創業した「中乃湯」は、シゲさんが嫁いできて二人三脚でやってきましたが、1984年にご主人が亡くなってからはシゲさん一人で切り盛りしてきました。
いつも外のベンチで座っているシゲさんと、お風呂上がりにゆんたく(おしゃべり)をすることが楽しみの一つと言えます。ここに来る常連さんがあるときは店番を引き受け、お湯の量を増やしたり、温度を上げたりとシゲさんが動きます。
取材の日は開店時間に合せて、14時に。すると、中から出てくるお客さんがいるのです。「時間、間違えたかな」とシゲさんに聞くと、「いつも早く来て、ベンチに座って待ってるから早く開けたりするさ~」
ということで、開店時間は14時頃です。
沖縄最後の銭湯中乃湯のオーナー仲村しげさん
シゲさんは、今年86歳。「シゲさん、いつまでもお元気で!」。また、会いに行きたくなる場所ですね。
このベンチのところでシゲさんに入浴料を払って、中に入ります。手ぶらでいっても無料で石けんとタオルを貸してくれます。カミソリは50円でした。

沖縄最後の銭湯中乃湯料金表
 

謎の「わ」と「ぬ」

ココが本来のシゲさんの定位置、番台ではなく、フロント式になっています。木札に「わ」と書かれています。さて、これは何の意味???
少し考えてみてくださいね。
沖縄最後の銭湯中乃湯のフロント
 
「わ」を拡大すると・・・
中乃湯の営業中看板
 
さて、その答えがココに! さすがです!!
わに板、中乃湯の営業中看板
 

独特の銭湯

まずは、脱衣所です。ロッカーには鍵はありません。貴重品があったらどうするんだ!と、心配する向きもあるかもしれませんが、その答えはこのあとすぐ!!
沖縄唯一の銭湯、中乃湯の脱衣所
 
そうなんです。間仕切りがありません。脱衣所と湯船の間の仕切りがないので、セキュリティは万全です。
本当のところは、間仕切りというのは保温のためにあるものなので、温かい沖縄には不要ですね。
沖縄唯一の銭湯、脱衣室と湯船の仕切りがない
 
湯船は一つだけ。それも小ぶりです。本来沖縄ではシャワーで済ますことが多く、湯船に入らないことが多いと聞きます。色がついているのは入浴剤です。他に銭湯があった時代も同じように、入浴剤が使われていたそうです。
浴槽は「湯池(いけ)」と呼ばれ、中国様式の影響があります。もともと琉球王国は貿易国。中国との交易をしていたわけですから当然ですね。
沖縄唯一の銭湯は中乃湯の湯船
 
蛇口が面白いでしょ。お湯と水を調整して、使います。最初は戸惑いましたが、慣れてくるとなかなか便利です。シャワーの代わりになったりします。
ひげそりや体を洗うときは、立ってすることが多くなります。鏡があの位置ですからね。もちろん、洗面器と椅子はありますよ。「ケロヨン」じゃないですが。
沖縄最後の銭湯中乃湯の洗い場
沖縄の銭湯は、体を暖めるというより、ご近所の人たちが集まり、ゆんたくする「憩いの広場」のようなもの。初めて行っても、シゲさんは声をかけてくれる、心温まる場所のことをいうんだなと気づきました。
その銭湯もココが最後。沖縄独特の文化ともいうべき銭湯は、大事にしたいですね。

中乃湯

住所:沖縄市安慶田1-5-2
電話: 098-937-8953
入浴料:大人(12歳以上の者)370円 中人(6歳以上12歳未満の者)170円 小人(6歳未満の者)100円
営業時間: 14:00頃~20:00  定休日:木曜・日曜
駐車場:2台
 

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徳島県徳島市出身 20代の頃は旅行会社勤務、やがて飲食業に転じ、居酒屋経営。泡盛との出会いから沖縄に通うようになる。沖縄愛は次第に深みにはまり、東京泡盛会を沖縄県酒造組合と開催したり、沖縄ファンクラブの理事をするなど、生活が沖縄化している。還暦を迎え、那覇市にマンションを借りて沖縄生活を始めてしまいました。趣味はまち歩き。

2017年9月14日公開、2021年2月24日更新

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