寒い冬は早く終わって欲しいものの、春はツラーイ花粉症の季節。今年のスギ花粉、例年より飛散量多くなると予想されています。花粉症から逃れるために、沖縄旅行に行ったり、沖縄に移住する人もいると思います。しかしなぜ沖縄には花粉症がないのでしょうか?
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沖縄は本土と違った独特な木が多く、スギやヒノキは植えられていないとよく言われますが、実はスギもヒノキも沖縄にも植えられているそうです。
ただ、圧倒的にその数は少なく、沖縄県の森林面積の約0.3%しか、スギやヒノキは植えられていないそうです。ちなみに東京都は、森林面積の約40%がスギやヒノキだそう。
しかも東京はコンクリートジャングル。都心の地面はコンクリートやアスファルトで覆われているため、遠くから飛んできた花粉が地面に落ちて再び舞い上がる「再飛散」が大きな問題なのです。
ではなぜ沖縄にはスギやヒノキが少ないのか?それは、戦後の復旧方法が沖縄と本土とでは違ったからのようです。
戦後、焼け野原となった日本は、政府の指導で成長が早いスギを植林して、たくさんの資源確保に乗り出したと言われていますが、沖縄県はそのころアメリカに統治されていたので、日本政府がスギの植林を進めていた時代、沖縄県は対象外でした。なのでスギやヒノキの植林が、ほとんど行われていなかったのです。
細く高く育つスギの木は、沖縄の台風に耐えにくいともいわれています。そして沖縄のスギやヒノキは、「休眠打破」になりにくいので花粉が飛ばないともいわれています。
ちなみに「休眠打破」とは、熊やリスなどの動物は、寒い冬には冬眠して、暖かくなる春頃に目覚めますが、植物にも似たような現象が起こるそうです。気温が低くなると休眠し、暖かくなると休眠から覚める。これを「休眠打破」といいます。
そして、スギが花粉を飛ばすには、この「休眠打破」の状態が不可欠で、「休眠打破」が起こらなければ基本的に花粉は飛ばないといわれています。年中、気温が高い沖縄では、そもそも「休眠打破」しにくい事から、固体差があるので絶対とはいえませんが、花粉が飛ばない、もしくは花粉の飛ぶ量が少ないという事なんでしょうね。
沖縄県特有の花粉症としては、「リュウキュウマツ」。ピークは2月〜3月ですが、マツ科の花粉は抗原性が低いらしく、ひどい症状が出る人は少ないそうです。
以前、石垣島の請福酒造の泡盛「請福ファンシー」が花粉症軽減に効果がある!といわれていた「請福ファンシー騒動」をご存知でしょうか?
そもそも泡盛であるこの請福が 「花粉症軽減に効果がある」と言われだしたのは、当時、花粉症に悩んでいた呉羽化学工業の社員が、石垣島土産で購入した「請福ファンシー」を飲んだところ、花粉症の症状が軽減したという事に基づき、呉羽化学工業が数年間に渡り研究した結果を元に、特許庁へ実用新案として『泡盛の抗アレルギー有効成分としての利用』とした特許出願(特許出願平8-153162、特許公開平315987)をしたことが発端です。
花粉症の成人男性が自覚症状発症後、三日後から15mlを朝夕服用させ効果を計った調査で
『抗アレルギー有効成分として利用できる事を見出した』との結果を報告しましたが、呉羽化学工業では1996年の出願以降、研究を中止しており、有効な成分が特定されないままになっているとの事。残念!
花粉症の季節にはぜひ、花粉症の少ない沖縄へめんそーりよ!