日本政府は1万円札、5千円札、千円札の新紙幣の印刷を開始しました。しかし沖縄の守礼門が描かれた「2千円札」は刷新が見送られました。その理由は何故なんでしょうか?2千円札について調べてみました。
2千円札とは沖縄サミット開催を記念して、2000年7月19日に発行された紙幣です。42年ぶりの新札となった2千円札は、当時、国内で1億余枚が、県内では190万枚が発行されたそうです。日銀によると、全国で10億枚を流通させる予定だったとか。10億枚というと、5千円札の2倍の発行数です。
しかし財務省理財局によると、2019年現在の2千円札の流通枚数は約1億枚で、発行当時、目標としていた10億枚の10分の1にとどまっているようです。
なぜ2千円札は思いのほか流通しなかったのか?流通しなかった理由について、はっきりとしたことについては調査されていませんが、発行当時、自動販売機で使うことができなかったからではないかとよく言われています。
現在の沖縄では2千円札が使用できる自販機も多くありますが、本土では現在も2千円札が使用できない自販機がほとんどではないでしょうか?
沖縄では、ローソンや琉球銀行のATMなどでお金を引き出す時、2千円札を選べる仕組みになっており、「2千円札優先」や「2千円札不要」のボタンを押さないと、2千円札が普通に出てきます。これは2千円札の利用促進に対する思いが詰まっているんです。
例えば琉球銀行では、給料日に役職員一人ひとりが二千円札へ両替し使用するなど、利用促進に積極的に取り組んでいます。平成17年8月には当行役職員約1,300名が「二千円札大使」に認定され、これにより、役職員1人ひとりが二千円札流通に向け積極的に県内外にPRしています。
紙幣の中で沖縄をモチーフにしたお札は史上初めて。紙幣表面右側に描かれている門は、首里城の「守礼の門」で、琉球国 尚清王(在位1527~55年)の時代に創建されました。「守礼の門」は、透かしの中にも使われています。また、表面の印刷された「守礼門」と、透かしの「守礼門」は、それぞれ別の角度から見た図柄になっています。
そして2千円札紙幣裏面左側には、「源氏物語絵巻」(平安時代後期=12世紀)第38帖「鈴虫」の絵と詞書が描かれています。
2千円札に描かれている「詞書」は、「鈴虫」の帖「その一」で、八月十五夜の夕暮れ時、女三の宮が庵で仏に念珠し、側の尼たちが仏に具える花や水などの仕事を忙しげにしているところへ、光源氏が訪れ、暫く鈴虫、松虫の談義をし、互いの断ち切り難い想いを歌で交わすというものです。ステキですね。
実は2千円札は、最新の偽造防止技術が詰まったお札なんです。
沖縄では普通に流通されている2千円札を、本土でもどんどん流通させてくださいね!