沖縄には様々な珍しい生き物がいますが、その中でもヤシガニという生き物をご存じでしょうか。大きなザリガニのような生き物であるヤシガニは、石垣島・宮古島では珍味として食べられています。
ヤシガニは名前が「カニ」ですが、実はヤドカリの仲間。地上に生息する節足動物の中では最大の大きさを誇る生き物です。体長は40cmを超えるものもあり、両手を広げると1mほどになるものも。
私は以前、コザの住宅街を歩いていた時にヤシガニに遭遇し、その大きさとフォルムにめちゃくちゃビビったのを覚えています。道を歩いていてヤシガニと遭遇するなんて、貴重な経験ではありますが(笑)
ヤシガニの繁殖の時期は夏の7月から8月ですが、脱皮を繰り返し大人になるまでには4年から8年かかるといわれています。
ヤシの実を食べるからヤシガニという名前だと思っていましたが、実はヤシだけを食べるのではなく、様々な果物や、動物などの死骸なども食べる雑食の生き物なんです。
ヤシガニが生息する地域では、ヤシガニを料理して食べる風習があり、インドネシアでは島の住民によって食べ尽くされたために、ヤシガニが生息しなくなったんだとか。そんなに美味しいのかしら?
ヤシガニの大きなハサミで挟む力は、体重の約90倍あると考えられており、最大級の大きさである体重4kgクラスのヤシガニには、ライオンの噛む力ほどもあるといわれています。挟まれるとひとたまりもありませんね・・・。
日本でヤシガニは石垣島・宮古島などに多く生息していて、50年も生きるヤシガニもいるとのこと。甲殻類は比較的長寿な生き物ですが、あの大きさあのフォルムで長寿なのにはびっくりです。
那覇界隈では見かける事のないヤシガニですが、実は昨年、南城市の老人ホーム内で巨大なヤシガニが見つかったり、泊漁港内で不法投棄された大量の家電ごみなどの中から見つかったとニュースになっていました。どこから紛れ込んだんだろう・・・。
ヤシガニはその美味しさから離島でもお店で提供されることも多いようですが、実は食べることには危険も伴うんですって。
ヤシガニは雑食で、果物や野菜以外にも、死んでしまった生き物や腐ったもの、人間が捨てた生ゴミなども食べてしまいます。ヤシガニ自体には毒はありませんが、ウイルスや菌を取り込み、これがヤシガニの体内で変化し食中毒の原因となると考えられています。
ヤシガニを食べて中毒死した例もあり、嘔吐や吐き気、手の痺れといった食中毒の症状が出ることも少なくありません。お店で食べる分には問題はないと思いますが、自分で獲ったヤシガニを料理して食べることはしないようにしましょうね。
ヤシガニは捕獲されることが多いため、現在ではその個体数が少なくなっており、地域によっては絶滅危惧種として、捕獲を禁じているところもあります。もし観光中にヤシガニに遭遇した時は、ハサミで挟まれないように気をつけましょう!