沖縄には沖縄ならではのしきたりや伝統がたくさんあります。そして沖縄ならではの風習も。「模合」に誘われたけど「模合」ってなに?沖縄の「スーコー」って?移住して8年の私にも、まだまだわからない事ばかりです。今回はジュンク堂書店那覇店で、沖縄ならではの本を見つけたので紹介します。
目次
仕組み?「模合帳」
これは本ではないのですが、沖縄の文具屋さんには「模合帳」というものが売られています。本土ではあまり聞きなれない「模合」とはどういうものなのでしょうか?「模合」とはただの飲み会ではなく、沖縄の金銭相互扶助システムの事。定期的に複数の個人が集まって一定額の金銭を出し合い、それを1人ずつ順番に受け取っていくシステムのことです。わかりやすく説明すると・・・実際に模合のグループに潜入してみました。
★仲の良い「どぅしぐぁー(友達)」5人(A,B,C,D,E)が集まり模合を始める。人数に上限はありません。
☆毎月1万円ずつ出し合うことに決定。
★今月の「親」はAさんに決まる。
☆5万円(1万円×5人)をAさんが受け取る。
★これを毎月繰り返し、B,C,D,Eさんが親になり一巡したら終了。以上のことをずっと繰り返す。
「模合」は金額に関わらず、ある一定以上のお金を他人に預けるので、信頼のおける仲間同士というコミュニティ内でしか模合は成立しません。信頼できる仲間同士だからこそできる「模合」は、沖縄らしい風習ですね。
ちらっと見せていただきました。規約、名簿一覧、連帯借用金証書まではいっています。
この日ご協力いただいた模合「やっちー会」のみなさん。元を正せば同じ職場の仲間が集まって、30年。毎月1回模合をしています。模合帳を見せていたのが津波古酒造で琉球泡盛「太平」を造っている杜氏・大城篤光さん(右から3番目)。
那覇・津波古酒造場の「太平感謝祭」、毎月二日泡盛特別セール!の記事はこちらです。
真ん中奥でVサインされている方が、やちむんで有名な金城次郎さん(兄)、敏雄さん(弟)兄弟の敏雄さんの孫、金城秀義さん。2019年7月10日~23日まで京都大丸にて「金城秀義 作陶展 舞漁」を開く沖縄の著名な陶工です。
若く、苦労している時も、家族以上に心を許す仲間達が集まり、ある時はメンバーの家族成長を祝ったり、長年つながっている姿を見させていただきました。
沖縄では家族の健康や幸せを願ったり、先祖の供養のためにその時々の御願が大切にされています。年中行事や法事などの特別の日にかぎらず、普段から台所に祀るヒヌカン(火の神)やトートーメー(仏壇)との関わりが深く、それにまつわる独特のやり方があります。この「御願ハンドブック」ではそれぞれのケースにあわせて、ヒラウコー(線香)の使い方やウサギムン(お供えもの)の種類や配置、グイス(御願することきに唱える言葉)の内容など、イラストつきで解説されており、沖縄では大ベストセラーの一冊と言われています。
沖縄の言葉って本当に難しいですよね。沖縄で「スーコー」とは法要や追善供養と呼ばれる法事のことで、漢字では「焼香」と書きます。例えば初七日から四十九日までをナンカ(週忌)といい、「ナンカスーコー」と呼ばれるものは、亡くなった日から数えて7日ごとの計7回行われます。この本は、沖縄での法事の行い方が詳しく書かれています。
本土では故人が亡くなってから一年後の法要を「一周忌」、その後の追善供養を「三周忌」「七回忌」などと言いますが、沖縄では「回忌(周忌)」のことを「年忌(ニンチ)」と呼びます。例えば沖縄では一周忌を「一年忌」と書いて「イヌイ」、三周忌が「三年忌」で「サンニンチ」、七回忌は「七年忌」で「シチニンチ」です。ところ変わればですよね。
沖縄は給料が安い!とよく言われますよね。私は沖縄に移住して丸8年経ちますが、移住した頃に比べると時給や月給はかなりUPしているように思います。沖縄の平均賃金 DATA BOOK 2019は、もともと雇用側と求人広告を考える際、給与の参考資料として作り始めたことがきっかけでした。しかしこの賃金データは、雇用側だけでなく、働く人たちや仕事を探す人たちにも「雇用状況(賃金)を把握する」 一つの手段として活用してほしいと、2011年から「沖縄の平均賃金 DATA BOOK」として発行し続けています。移住を考えてらっしゃる方は1冊購入してみてはいかがですか?
ジュンク堂書店那覇店2階には、沖縄ならではの本がたくさん売っています。観光の合間に気になる本を探してみてはいかがでしょうか?
住所:那覇市牧志1-19-29 ☎098-860-7175 営:10:00~22:00 年中無休