名護から北へ国道58号線を北上し、オクマビーチや道の駅ゆいゆい国頭から右に1kmほど入ったところにある、やんばる野生生物保護センター「ウフギー自然館」を訪れました。そして野生のヤンバルクイナが交通事故に遭うという、衝撃的な事実を知ってしまいました。希少種のロードキル防止のため、運転には気をつけたいですね。ウフギー自然館で学んだことをレポートさせていただきます。
ヤンバルクイナは希少動物で、国の天然記念物に指定されています。世界中で沖縄本島北部「やんばる」の森だけに生息する貴重な鳥です。ヤンバルクイナの翼は、他の鳥と比べても面積が非常に小さく、翼を動かす事がないため筋肉も発達せず、ほとんど飛ぶことはできません。新種として発表されたのは、1981年(昭和56年)ですが、地元の山仕事の人たちには「アガチ」「アガチャー」(あわてもの)、「ヤマドゥイ」(山に住む鳥)などと呼ばれ存在が知られていたようです。
また、ヤンバルクイナは遠くまで届く、とても大きな声で鳴きます。
♪ケケケケケケ・・・♪ 縄張りの主張やつがい相手とのコミュニケーション
♪クリリリヤー・・・♪ 求愛、つがい相手に対する呼びかけ
♪クェー、クェー♪ 警戒
♪ググッ、ググッ・・・♪ ヒナへの呼びかけ、警戒の合図
2019年には、西海岸から東海岸に抜ける県道2号線、東海岸にかけてヤンバルクイナは29件、ケナガネズミは5件の死亡事故が起きています。
地図で確認してみましょう。番号が書かれている地点が、交通事故確認現場です。ヤンバルクイナに限らず、カメ、ヘビ、カニなどが道路に出てきて交通事故が起きています。
特に早朝や雨上がりは、ヤンバルクイナが道路沿いに出てくることが多いようです。「いるかもしれない!!」の気持ちで、安全運転を心がけましょう!
側溝や路肩にたまった落ち葉の中には、ヤンバルクイナなどのいきものの餌となる、ミミズやカタツムリなどが這い出してきます。ヤンバルクイナはそれを狙って、道路に出てくることがあるのです。また、5月6月は沖縄の梅雨時で、どうしても雨が多くなります。そして、この時期はヤンバルクイナの子育ての時期でもあるのです。自分たちだけではなく子供達の餌を求めて、道路に出てくることが多くなります。
この写真は、やんばる固有のカメで天然記念物の「リュウキュウヤマガメ」です。ヤンバルを歩いている時、偶然遭遇しました。歩いている時だったので気づきましたが、車を運転してたら気づかなかったかもしれません。
ヤンバルクイナの活動が最も活発になる時間は朝方6時から8時くらいです。雨の日と朝は要注意ですね。そしてヤンバルクイナに限らず、自然豊かなやんばるには多くのいきものが生息しており、どこから飛び出してくるかわからないと言う意識を持って、スピードを控え注意しながら運転したいものですね!
万が一、事故の当事者となってしまっても、故意でない限り罪に問われることはありませんので、情報をお寄せ下さいますようお願いいたします。交通事故の場所や時間を調べ、対策に役立てています。
もし交通事故に遭ったヤンバルクイナを見かけたら、すぐに下記へ連絡をお願いします。
☎0980-50-1025、090-6862-9170(環境省やんばる野生生物保護センター)
☎090-6857-8917(クイナダイヤル、NPO法人どうぶつたちの病院)
★やんばる野生物保護センター「ウフギ自然館」の公式サイトはコチラ
★ヤンバルクイナに絶対会える「クイナの森」の記事は、コチラをご覧ください。
★沖縄最北端の辺戸岬にあるヤンバルクイナの正体は?!の記事は、コチラをご覧ください。
住所:沖縄県国頭郡国頭村比地263-1 ☎0980-50-1025 営:10:00~16:30 月曜日、祝日定休、慰霊の日(6/23)