戦後の闇市から県民の台所としてスタートした那覇の農連市場。新しい建物の建設が進み、2017年秋には移転するため、どこまで現在の市場の風情が残るのでしょうか。今のうちに昔ながらの農家、店主、そしてお客さんがコミュニケーションを取り合って、いわゆる「相対売り」の姿を是非見てもらいたい。沖縄の日常風景がそこにあります。この場所は現在のJA沖縄が1953年(昭和28年)に開場して、60年を超えています。
※注)農連市場は、2016年10月末の閉鎖され、新農連市場が2017年にOPENしました。
深夜2時過ぎ、農連市場が動き始めます。野菜などが運び込まれ、慌ただしく開店準備を行います。早朝5時~6時くらいに行くのがベストでしょう。7時~8時になると商品も減っており、既に店じまいしているところもあります。牧志公設市場は観光客相手のため昼がメインですが、農連市場は業者相手。なので深夜から営業が始まります。
本当は人が行き交い、相対売りをしている姿をどんどん撮ってその姿を伝えたいところです。写真を撮る時は必ず声をかけて「撮っていいですか?」と聞くようにしています。ところが、今回は「顔出しはやめて」「写真を撮って何に使うの?」という声が多く聞こえてきました。「写真を撮っていいかと聞かれたのは珍しい」とまで言われました。どうやら、観光で農連市場を訪れ、勝手に写真を撮っていくマナーに問題があるようです。この記事を読んで行かれる方は、注意していただけたら幸いです。
野菜は地面に並べたり、段ボールの箱のまま売られています。フリーマーケットのようなスペースで営業されているのが基本。
こちらは惣菜ストリート。
手作りの惣菜やお弁当がたくさん並べられていて、とにかく安い!
朝食用に買ったお弁当。なんと250円!安いですよね~
個人的に大好きなたまご巻き。バクダンとも呼ばれます。さつま揚げのような練り物の中にゆで卵が一個入っているんです。中にジューシー(沖縄の炊き込みご飯)が入っているものも。おかずというよりおやつ感覚で食べます!
農連市場の中で見ることができた日常的な姿です。おばぁが、もやしの根を指で一つ一つ取り除く作業をしています。この作業は沖縄の市場あるあるです。もちろん、許可を得て撮影させていただきました。
こちらは許可を得るとカメラ目線をしてくれたもやし専門店のお兄さん!最近ではこのように機械でもやしの根を取るのが一般的になってきたようです。
食べ物はもちろん、このように洋服を売っていたり、靴屋さんがあったりと、生活のにおいがぷんぷんするところが市場のいいところですね。
ある店の中に古い井戸がありました。現在は使われていませんが、半年後、ここも取り壊されます。井戸は残っていくのでしょうか。沖縄では井戸は大切なもの。簡単に埋めればいいというモノではありません。この話は長くなりそうなので「大切なモノ」としてとらえておいてください。
農連市場北側は工事が進み、今秋には店舗の移転が始まります。現在の南側のこの店舗のある場所は取り壊されて、市営住宅や分譲住宅になる予定です。工事現場の壁に貼られていた新しい農連市場の姿です。新しくなることは嬉しい反面、寂しさも感じますね。
24時間営業で300円の沖縄そばが有名だった「丸安そば」を始め、移転したり廃業したりで、昔の活気ほどはありませんが、まだまだ日常の風情が残る場所です。少し早起きして、行かれてはいかがでしょうか。
※注)農連市場は、2016年10月末の閉鎖されました。
新しくオープンした「のうれんプラザ」は、2017年10月17日にプレオープンしましたが、グランドオープンは11月1日です。
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住所:那覇市樋川2-10-1