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「サンマデモクラシー」魚屋のおばぁが絶対的権力者におこしたサンマ裁判

「サンマデモクラシー」魚屋のおばぁが絶対的権力者におこしたサンマ裁判

約60年前の沖縄で、「サンマ裁判」があり、魚屋のおばぁ玉城ウシが輸入関税を巡って争った。最初は「なぜサンマに輸入関税?」の怒りから、アメリカが最も恐れた男瀬長亀次郞まで巻き込んで、沖縄の自治問題まで発展する。これが実話だから沖縄を愛する人は必見の映画です!

魚貝類を行商する糸満の「あんまー」

道の駅いとまんのあんまー

道の駅いとまん「あんまー顔出しパネル」

海人の町糸満の女性たちは「あんまー」と呼ばれ、夫が捕ってきた魚を買取、那覇まで12kmの道を歩き魚行商をしていました。沖縄では本来マグロの餌として使われていたサンマ。しかし、安くて、美味しくて、栄養もあるモノを放っておく手はない。サンマはあっという間に出回り大衆魚として多くの人に食べられるようになります。

その「あんまー」の中に今回の主人公玉城ウシが登場します。

安いはずの大衆魚サンマに輸入関税20%!?

サンマデモクラシー

うなぎ、たこ、ハマグリ・・・と日本本土から入ってくる魚介類は、外国から入ってくるモノで輸入関税がかかるのです。そうです、沖縄は米国占領下にあって、日本ではなかったのですから。布令と呼ばれる絶対的命令の中に魚貝類関税20%がはいっていたのです。

消費税10%でも高いと思うのに、「食」に20%の税がかけられたらどうでしょうか。

ところが、この関税をかけられた魚介類の中に「サンマ」の文字が見当たりません。「サンマ」の関税を取られ続けた玉城ウシは立ち上がります。「とられたサンマ課税を返せ!」と。

そして、「サンマ裁判」となるのです。

サンマ裁判の結果はいかに

玉城ウシが支払った4年半分の輸入関税は、今の日本の価値にすると約7000万円もの金額になります。ラッパと呼ばれる下里恵良が弁護士について、戦った結果、勝利します。

当時、琉球政府はあったものの、その上に琉球列島米国民政府(USCAR=ユースカー)があって、実態は軍事占領で、その長が高等弁務官。

高等弁務官キャラウエイは、後続しておこされた「第2のサンマ裁判」では、琉球政府から裁判権を取り上げ、米国での裁判としてしまいます。当然、結果は敗訴。琉球政府による自治権は事実上存在しないのです。

琉球政府は、司法、立法、行政の三権分立していて、米国は沖縄を「民主主義のショーウインドー」にすると言っていたのに、実態はほど遠い結果です。

アメリカが最も恐れた男・瀬長亀次郞

サンマデモクラシー

サンマデモクラシーに登場する瀬長亀次郞は、米軍が最も恐れた男瀬長亀次郞と呼ばれ、沖縄の自治権を賭けて戦った男です。

1952年45歳で第1回立法院議員選挙にトップ当選します。当時は米軍占領下にあって、立法議員は米国民政府代表に対し、忠誠を求められますが、瀬長亀次郞は拒否します。強制的に土地を収用されたり、米兵に幼い子供を殺されたりしていて平等を求めて抵抗したわけです。

2期目も当選するのですが、不当に逮捕され、沖縄刑務所に収監されます。

2年の収監の後、1956年4月出獄し、同年12月那覇市長に当選します。

那覇市長時代、米軍による補助金・融資打ち切りに対し市民が自主納税

那覇市長に瀬長亀次郞が就任すると、米軍による弾圧が厳しくなり、那覇市への補助金や融資を打ち切られます。その危機を乗り越えられたのが、市民による納税です。首里、小禄、真和志と行った支所には、納税のための市民の行列が出来るほどでした。

なんと納税率97%!瀬長亀次郞に対する支持というか米軍による不当さのすごさを物語っていますね。

衆院議員として20年7期つとめる

沖縄が日本復帰する1972年の2年前、沖縄は衆参両院への国政参加が認められ、瀬長亀次郞は衆議院議員として沖縄の代表として活躍します。

サンマデモクラシー

瀬長亀次郞・不屈館

那覇市若狭にある不屈館には瀬長亀次郞が活動してきた記録が残っています。サンマ課税と同様に、アメリカの弾圧と戦ってきたわけです。

瀬長亀次郞「不屈館」は沖縄の戦後史を伝える資料館の記事はコチラです。

映画を面白くしてくれるうちなー噺家・志ぃさー

サンマデモクラシー

写真提供:山里孫存監督

この映画は、非常に重たい内容であるにもかかわらず、笑い、楽しめる映画となっています。ナビゲーターを務めるうちなー噺家志ぃさーが落語や、あるときは活弁士になって、話をわかりやすく楽しく説明してくれます。

全国TVを経て映画化

毎日新聞、朝日新聞、東京新聞など各紙が「サンマデモクラシー」の記事を掲載しています。上映されているポレポレ東中野に掲示されているモノです。

この「サンマデモクラシー」はテレビドキュメンタリーの企画コンペで最優秀企画賞を取り、2020年2月8日テレビ朝日で放送を皮切りに全国民放局33局で放送されたものです。追加取材をして、再編集の上で映画化されています。

全国で順次公開

沖縄では桜坂劇場と宮古島のよしもと南の島パニパニシネマで上映され、福岡、大阪、京都、愛知、宮城・・・・と全国で公開されます。是非、お近くで上映される際には機会を逃さず見ていただきたいです。

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桜坂劇場

住所 沖縄県那覇市牧志3丁目6−10
電話番号 098-860-9555

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