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泡盛業界売上№1の「久米島の久米仙」

泡盛業界№1の売り上げの「久米島の久米仙」。 名前の通り久米島にあります。株式会社久米島の久米仙が作る銘柄も「久米島の久米仙」。どうして「久米島の」がつくの?の疑問にも触れながら、美味しい泡盛ができる酒造工場を島袋淳也常務に案内していただきました。

泡盛業界№1の「久米島の久米仙」は究極の前割!?

写真には4本の円筒形のタンクが写っています。この中に出荷前の泡盛が詰まっています。これだけでも小さな酒造工場より多いのではないでしょうか。泡盛業界では一番売れている「久米島の久米仙」。実はこの建物の地下にも貯蔵庫があって、たくさんの甕やタンクが並んでいます。

久米島の久米仙泡盛酒造工場

壁面が黒くなっていますね。これは「黒麹菌」です。後でご紹介しますが、泡盛を造るために必要な「黒麹菌」は焼酎の一部にも使用されたりしてきていますが、焼酎の「白麹」、日本酒の「黄麹」との味の違いがここにあって、壁や天井の黒さはおいしさの証でもあります。

通常、原酒のまま(約44度)寝かせておいて、瓶詰めの前に水を加えで25度や30度の泡盛にしていきます。その方がタンクの量が少なくてすむわけですね。でも、「久米島の久米仙」では水を加えて寝かせておきます。数ヶ月原酒と水がなじんだ状態で出荷されるので、究極の前割と言えます。飲む前の2,3日水割りを作って寝かせておくだけで、なじんだ泡盛水割りになって美味しいですが、さらに上を行くのがこれですね。

原料米を蒸している工程です。ここにおいしさの秘密である「黒麹菌」を投入していきます。

久米島の久米仙の種麹

「河内菌」は九州の会社で作られています。焼酎の白麹は、初代河内源一郎さんが、沖縄の黒麹に目をつけ、変異させていったのが白麹であって、今ではさらに変異させた黒麹で「黒霧島」など有名な焼酎にも使われるようになりました。日本酒の黄麹はクエン酸を分泌せず、黒麹との大きな違いです。

久米島の久米仙蒸留器

コチラは泡盛造りの最終工程の蒸留です。蒸留器だけでも5機が稼働しています。

久米島の久米仙の瓶チェック

瓶の傷、泡盛自体に混入しているるものはないか確認する作業は、人の手による目視です。1本1本をこのように確認していく作業が必要です。

この記事ではすべての工程を書いていません。残念ながら、久米島の久米仙では私たちが見たところもすべてを見学できるわけではありませんが、他社とは違う機械が使われているところがあって、泡盛業界全体が同じ原料を使いながら、味の違いがでて来て、業界№1の地位にいるのだなと感じました。

泡盛でも焼酎でもないイムゲー

泡盛でも焼酎でもないお酒が「イムゲー」?沖縄でもこの「久米島の久米仙」と宮古島の「多良川」、石垣島の「請福酒造」の3社だけで作られています。さて、その焼酎でも泡盛でもない酒とは?

久米島の久米仙の仕込みタンク

たくさんの仕込みタンクがある中で、1つのタンクだけがピンク色に染まっています。「紅芋」の色です。実際にお酒になるときは、この色はなくなってしまいます。「泡盛」は全麹仕込みといって、一次仕込みだけで原料米の米を使って泡盛にしていきます。一部例外はありますが、基本は米を使って作ったものに二次仕込みで「芋」「麦」「黒糖」などを仕込んでいくのが「焼酎」です。

泡盛でも焼酎でもないIMUGE(イムゲー)

泡盛でも焼酎でもない「IMUGE(イムゲー)」は、三次仕込みがあります。芋で2次仕込みした後、「黒糖」で3次仕込みを行います。そもそも、泡盛は首里城周辺の首里三箇と呼ばれる地域だけで作られていたものですが、久米島にも石垣島、宮古島にもお酒がないわけではありません。歴史をひもといていくと、このイムゲ-になったというわけです。まだ生産量が少なく、出会う機会が限られていますが、是非飲んでみてもらいたいお酒であります。

是非読んでもらいたいのが、このページです。イムゲーを作った3社が熱く語っています。

「IMUGE・沖縄第二の地酒に」のページはコチラです。

試飲コーナーで泡盛を味わってみた

泡盛工場に行って一番の楽しみは試飲です。自分に合った好みの泡盛を見つけて、買って帰って欲しいですね。バス、タクシーで行きたいですね。

久米島の久米仙の試飲コーナー

色々なタイプの泡盛があります。もちろん、IMUGE(イムゲー)もありました。おちょこや試飲カップがありますので飲み比べ、飲み比べ!

このようにチャートで示してくれるとわかりやすいですね。

ご案内いただきました島袋淳也常務です。ありがとうございました。

なぜ「久米島の久米仙」?

「久米仙」と名前がつく酒造所が2つあることをご存じでしょうか?この「久米島の久米仙(通称:久米久米)」と那覇市仲井真にある「久米仙酒造(通称:なはくめ)」です。最初は、久米島に1949年(昭和24年)仲里酒造の名前で「久米島の久米仙」が発足します。

「久米仙酒造・なはくめ」が発足したのが1952年(昭和27年)わずか3年後です。久米仙酒造の創業者は久米島出身の平良正蔵氏。この3年間、那覇における仲里酒造(久米島の久米仙)の販売を行っていた方です。自ら泡盛造りに携わるようになるわけですが、こんな関係から「久米仙」の名前を使うようになります。仲里酒造も「久米島の」がない「久米仙」の銘柄を作っていた時代もありますが、「久米島の久米仙」の銘柄に変わっていきます。

元は関係のあった2つの会社ですが、それぞれの久米仙には味わいが異なりますので、飲み比べてみるのも楽しいと思います。

居酒屋のメニューに「久米仙」と書かれていても、どっちが出てくるのか、お店の方もよく知らないようです。是非、確認して飲んでもらいたいですね。両方ある場合は、飲み比べてみてください。

「久米島の久米仙」はどこにある?

久米島の北部「宇江城(うえぐすく)」にあります。

「久米島の久米仙」泡盛酒造工場

「久米島の久米仙」泡盛酒造工場

住所:沖縄県島尻郡久米島町字宇江城2157

電話番号:098-985-2276

バスで行くなら、一周線が右回りと左回り各1日5便あります。「宇江城」で下車。

久米島町営バスの時刻表はコチラです。

タクシーならば、ホテル、宿が多いイーフビーチからだと片道2000円、約20分を目安にしてください。

「久米島の久米仙」のHPはコチラです。

久米島・こだわりの小さな酒造工場見学!米島酒造の記事はコチラです。

体験レポーター:青木さなえ/MAYA

文/写真:泡盛おじさん

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徳島県徳島市出身 20代の頃は旅行会社勤務、やがて飲食業に転じ、居酒屋経営。泡盛との出会いから沖縄に通うようになる。沖縄愛は次第に深みにはまり、東京泡盛会を沖縄県酒造組合と開催したり、東京でもいつもかりゆしウエアを着て、生活が沖縄化している。趣味はまち歩きと泡盛。

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