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本部町でダイビング、泡盛を海で熟成させた「海底酒」

泡盛を海底に沈めて1年間寝かせるとどうなるか。

2016年2月、我々は美ら海水族館のある本部町(もとぶちょう)の海にダイビング、「泡盛」を海の中に置いてきました。あれから1年、本部町漁協の方達に海中でしっかり管理していただいて、自宅に届きました。泡盛は寝かせると美味しく熟成して古酒化していきますが、海に沈めると波の揺れで熟成度が増し、早い時間で古酒のように育つと言われます。それを実験してみました。又、これは沖縄県や旅行会社のお力で、今後沖縄の魅力を発信していく為の実験ツアーでもありました。

1年間寝かせた海底酒

泡盛は寝かせると古酒になって熟成していきますが、なぜ熟成するのか、その理由は泡盛メーカーの組合HPより確認したいと思います。

 

『ウイスキーやブランデーなどの洋酒にも20年、30年クラスの古酒はあります。しかし、洋酒と泡盛の古酒は、次の点で大きな違いがあります。
○洋酒は原則として樽に貯蔵され、樽からバニラの香りやスモーキーな香りなどのさまざまな成分をもらって熟成し、古酒になっていく。
○泡盛は、泡盛に含まれる成分そのものが、長期熟成することによって、物理的変化、科学的変化をへて香味成分などに変化していき、まろやかで、甘い香りを醸し出す。

樽の力をもらって古酒になる洋酒は、樽から出して瓶詰めすると古酒化はそれ以上なかなか進まないといわれるのは上記のような理由からです。一方、泡盛は、自らの成分そのものを変化させて古酒になっていくので、瓶詰めしたあとでも古酒化が進むのです。(沖縄県酒造組合・泡盛百科より)』

 

海底に沈めたこの泡盛は、2015年6月に蒸留されて、2016年2月6日に海に沈め、2017年3月の今まで、1年8ヶ月間タンク内、瓶の中で熟成されてきています。その期間の中で、1年間潮流の影響を受け、常に刺激を与えられている状態でしたので、間違いなく熟成しています。
同様の例として恩納酒造さんが『しんかい』と言う海に沈めていた泡盛を商品化したり、ダイバーの中で海に沈めている例を何度も聞いています。また、タクシーなどの営業車のトランクに入れて、常に刺激を与えたり、フルマラソンで泡盛を持って走ったあとの熟成感を実験し、私も飲み比べさせてもらっているので間違いないです。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

こうして、1年間海に潜っていると珊瑚が付着してきます。しばらく乾かせてから手元に届きました。

 

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

この海底酒、もう少し詳しくお話しさせていただきます。

 

山川酒造見学とラベル貼り

海に潜る前に、山川酒造さんを見学して、泡盛をしっかり勉強した上で、自分の泡盛である証にラベルを貼ることになります。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

山川会長自ら、泡盛の製造工程を追いながら、詳しく教えていただきました。後ろにある機械は、通称回転ドラムといって、原料米を入れてお米を炊くときと同じ要領で、洗米、浸漬(水に浸す)、蒸し米をやって、黒麹菌をつけていく作業をここで丸一日かけて行います。回転ドラムですからぐるぐる回っていきます。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

ここでは、そのあとの泡盛造りは省略させていただきます。ラベルを貼る機械です。真ん中の黒っぽい円柱形のものが、のりをつけている状態で回転していきます。これでラベルにのり付けをしていきます。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

海中に沈めるので、通常のものと違い耐水性のあるものを使い、ドライヤーを使って瓶に貼り付けていきます。2月6日体験と私の名前を書き込んでおきました。ついでに「おいしくなれ」と書き込みです。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

 

ダイビングで海に沈める

ダイビングと言ってもほとんどが初心者、インストラクター1人に対し2人ひと組で潜ります。体験ダイビングと同じですね。ボートでもう少し沖合に出て潜る予定でしたが、天候が悪く湾内で潜ることになりました。2月ですが少々寒いと言ってもウェットスーツもあるし、ダイビングすることには全く問題ありませんでした。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

水深10mくらいの場所に、ビールケースの中に自分の泡盛を入れていきます。このあと、しっかりふたをして本部町漁協の管理の下、海中で1年間寝ることになります。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

そして、1年後、引き上げられた瞬間の画像です!!

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

無事全部の泡盛が割れることなく、引き上げられました。1年間の海の中ですから、割れる可能性はゼロではないのでドキドキものですね。

 

実は潜る前に海底酒を飲んでいた

海に潜る前日、山川酒造社長をはじめ、地元の方達と飲む機会があり、山川酒造『珊瑚礁』などと一緒に、「海底酒」を味わっていました。もともと「古酒の山川」と言って、古酒にお味わいには定評があるので、美味しくいただきました。「海底酒」は3年未満の新酒とはいえ、熟成感が出て美味しくなっていました。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

 

購入するには

今回のツアーで泊まったホテルですが本部町にあるマハイナウェルネスリゾートオキナワとアラマハイナコンドホテルのある「ハナサキマルシェ」海風マーケットや美ら海水族館近くの「琉宮城蝶々園」で販売されています。まだ、ツアーとして正式に実現していませんが、近いうちに気軽に体験して「my海底酒」を持つことができるのではと思います。

 

店内にはこのように書かれていました。

泡盛を本部町でダイビング、海で熟成させた「海底酒」

今回のツアーを催行するに当たって、美味しい泡盛にするために実際に海に沈めてみた結果が実現しています。

 

海に沈めていない同じ泡盛を確保してあるので、近いうちに一緒に潜った仲間達と味わいます。飲み比べをしてみると違いがよくわかります。

本部町のそば街道にある山川酒造さんでは、事前に連絡をしておくと見学ができます。(日祝は休み)蔵元を見学しておくと泡盛のおいしさがよりいっそうましますね。

山川酒造

住所:沖縄県国頭郡本部町字並里583
電話:0980-47-2136
山川酒造さんのホームページはこちらです。

文:泡盛おじさん

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徳島県徳島市出身 20代の頃は旅行会社勤務、やがて飲食業に転じ、居酒屋経営。泡盛との出会いから沖縄に通うようになる。沖縄愛は次第に深みにはまり、東京泡盛会を沖縄県酒造組合と開催したり、東京でもいつもかりゆしウエアを着て、生活が沖縄化している。趣味はまち歩きと泡盛。

2017年3月17日公開、2019年8月5日更新

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