沖縄本島北部は未知のエリア。今回は国頭村にある「比地大滝(ひじおおたき)」を訪れました。「比地大滝」は、比地川に流れこむ沖縄本島最大の滝で、やんばるの深い森にあります。本土では見られない亜熱帯の動植物に目を奪われながら、綺麗に整備された遊歩道を巡って約40分で、滝の袂(たもと)に到着です。
入口は比地大滝キャンプ場。入場料金を払って、滝まで歩きます。
地図を見たら、滝まですぐかなって思いましたが、管理人の方に聞いたら、片道1.5kmで所要時間は片道40分以上。往復だと1時間半~2時間ほどはかかるそうです。
ちょっと行ってきますって出発したけど、わりと距離はありそうですね(笑)頑張ろう!
入口からすぐのところには、区画されたキャンプ台が設置されています。ここで自前のテントを張り、その周りでバーベキューができるようですね。テントエリアのすぐ脇には比地川が流れており、澄み切った清流は、子どもたちの絶好の遊び場となりそうな感じです。
美しい蝶々もたくさん舞ってます!訪れたのはちょうど梅雨時期・・・梅雨の時期だからか、週末にも関わらず閑散としていました。
静寂の中、森を歩いていると、「カッカッカッカッカッ」とか「ケッケッケッケッケッ」というような音が聞こえてきました。もしやこの鳴き声は?!間違いない!!ヤンバルクイナの鳴き声です。ヤンバルクイナの鳴き声は、早朝に聞こえてくるんだよと、教えて頂いたばかりだったので、かなりテンションが上がりました。
ヤンバルクイナは、世界中で沖縄県北部のやんばる(山原)地域だけに生息している飛べない鳥で、1981年、山階鳥類研究所の研究員らによって未知の鳥であることが確認された新種の鳥。
ちなみにヤンバルクイナは飛べません。もともと沖縄には、ヤンバルクイナの天敵となるような肉食動物は少なく、そのような条件に合わせ、何百万年かけて進化してきたので、体のつくりも生態も、もちろん短い羽も、捕食動物から逃れられるような備えがない鳥なんだそうです。しかし人間が島に持ちこんだマングースやネコによって捕食され、また森林の伐採や交通事故の影響もあり、ヤンバルクイナは絶滅の危機にさらされているんです。
そんなヤンバルクイナの鳴き声を聞きながら、やんばるの森の中へと入って行きます。とはいえ、遊歩道が整備されているので、険しい山道を歩くわけではありません。
しばらく行くと、二つのルートに分かれているので、好きな道を選び進みます。
しかし整備されてはいますが、階段を上ったり下ったり、アップダウンは激しいです。亜熱帯ジャングルの大自然、やんばるの森は、あまりにも人とすれ違わないので不安にすら感じます。たまにすれ違う人がいるかと思えば、ほとんどが外人さん。しかも、そこはルートなの?ってとこを歩いてます。どうやら私が選んだルートとは別の、川沿いルートがあるようです。
清流を横目に見ながら、トレッキングの途中には、鳥、昆虫、トカゲなどの爬虫類、様々な亜熱帯植物を観察することができます。なかなかお目にかかれない国指定天然記念物の「ホントウアカヒゲ」という鳥もいました。すごいな~!やんばるは天然記念物の宝庫です。
あれ?なぜこんなところに炭焼き窯跡が?かつてはやんばるの森のあちこちに窯があり、できあがった木炭はやんばる船で中南部へ運んでいたそうです。なるほど~
森の中は電波が入らない場所も多く、緊急時はこの場所まで戻るんですね~。
滝の音が聞こえてきました。滝に近づくにつれて、空気もひんやりとしてきました。ようやく沖縄本島最大の比地大滝に到着です。
マイナスイオンたっぷり。比地大滝は、沖縄本島一の水量を誇り、約26メートルの高さから流れ落ちる姿は圧巻の迫力です。
帰りももちろん階段のアップダウン。足腰に応えますが、川のせせらぎや鳥のさえずりなどを感じながらのトレッキングは、毎日都会で忙しく働く私にとっては、かなりの癒しとなりました。沖縄のジャングル、やんばるの大自然をたっぷり感じられるスポットです。ぜひ訪れてみて下さいね!
★ヤンバルクイナ交通事故注意!「ウフギー自然館」の記事は、コチラをご覧下さい。
★沖縄本島をドライブで巡るやんばるモデルコースはコレだ!の記事は、コチラをご覧ください。
住所:沖縄県国頭郡国頭村字比地781-1 駐車場:無料 トイレ:管理棟にあり 無休