沖縄土産のランキング上位に必ず入る、琉球ガラス。琉球ガラスの歴史は、沖縄の工芸としては比較的浅く、100年ほど前に製造が始まったとされています。そして琉球ガラス誕生のきっかけは、敗戦だったといわれています。今回は、琉球ガラスの歴史と素晴らしさに迫ってみたいと思います。
琉球ガラスが生まれたきっかけは、戦後ガラス製品を作る材料が不足し、当時進駐していた米軍が捨てたコーラ瓶やビール瓶などを砕いて再利用し、材料にしたのがはじまりといわれています。
その当時は、コップや水差し、花瓶などが主な製品でしたが、宙吹きならではの丸みのある形や、再生の過程でできる気泡などが独特の味わいを生み出し、他では見られないガラス製品ということで県外でも評価が高まっていったようです。
当時の琉球ガラスは、廃瓶から作るリサイクルガラスが主だったため、廃瓶の色を元にした約7種類の色(淡水色、緑色、茶色、薄茶色、紫色、深い青色、透明)が特徴でしたが、現在では、人口的な着色が施されているものも多いです。
気泡が入ったグラスは、とても美しいですよね!いびつな形であっても、それが味わいになっていてステキです。工房によっては「つぶつぶ」がついていたり、オリジナルの色合いを開発したりと、オンリーワンな琉球ガラスにも惹かれます。
琉球ガラスの技法は、大きく分けると「宙吹き法」と「型吹き法」の2種類があり、「宙吹き法」は、高温で溶けたガラスを吹き竿の先に巻き取り、吹き竿に息を吹き込みながら形を生成していくという技法です。やわらかいガラス自身の重さに働く重力と、それが垂れないようにパイプを回すわずかな遠心力だけで形を整えます。吹き込む息の量や勢いによって、形や大きさを自由に変えることが出来る、まさに職人ならではの技法です。
そしてもう一つの「型吹き方」は、熱して柔らかくなったガラスを吹き竿につけ、あらかじめくりぬいておいた金型や木型や石型の中に差し込み、その状態で竿に息を吹き込み成型する方法です。型があるため、同じ形のものをたくさん作ることができるのが特徴。そして工房によっても様々な特徴があるのも魅力的ですよね!
ちなみに製作過程は次の1~6の順序で行われます。
1.材料の割れ瓶を色別に分けて洗う。
2.選別された材料をるつぼに入れて1300℃~1500℃の温度で溶解する。
3.ドロドロに溶けたガラスを吹き竿(鉄パイプ)で成形する。
4.整形窯であぶりながら形を整える。
5.出来た製品を低熱窯で徐々に冷やす。
6.瓶類は「ふた」と「容器」が合うように金剛砂ですりあわせて仕上げる
こちらは琉球ガラスでできた鏡餅。鏡餅の中には泡盛が入っていて、鏡餅の上に乗っている赤い部分(通常はみかん)はグラスになっているので、そのにグラスに泡盛を注いで飲めるという素晴らしさ!これは毎年使えるし見た目も可愛いし優れものです!
そしてコチラは琉球ガラスでできた表札です。こんな素敵な表札が玄関にあったら素敵ですよね~!ちなみに表札に書かれている「保栄茂」は沖縄の苗字ですが、何と読むかわかりますか?これは「びん」と読みます。漢字は3文字なのに、読み方は2文字だなんて、不思議ですよね(笑)
コチラは琉球ガラスでできたお雛様。とーっても可愛いですね!他にもアクセサリーや花瓶、お皿など、たくさんの素敵な商品があるので、お気に入りの商品を探すのも楽しいかも!
沖縄県本島では、琉球ガラス作り体験をしている場所はたくさんありますが、糸満市にある「琉球ガラス村」では、体験はもちろん、多種多様な琉球ガラスが取り揃えられ、琉球ガラスのアウトレット商品なども売られています。吹きガラス体験の他、フォトフレームやガラスがポイントとなるアクセサリー作りなど、家族やグループで遊べる体験は10種以上!楽しめること間違いなしです!
ぜひ沖縄旅行の際には、立ち寄ってみて下さいね!
住所:沖縄県糸満市字福地169番地 ☎098-997-4784