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神の島「宮古列島・大神島」に伝わる海賊伝説と祖神祭

神の島「宮古列島・大神島」に伝わる海賊伝説と祖神祭

宮古島の北約4km沖に位置する宮古列島のひとつである大神島(おおがみじま)は、昔から様々な伝説が残り、神が宿る島・神が住む島と言われてきた島。
大神島のいたるところに神聖な御嶽(うたき)があり、旅行者だけでなく、島の人ですら足を踏み入れてはならない場所が沢山あると聞き、島の人の大事な信仰の拠り所である御嶽に、無闇に足を踏み入れることのないよう、今回は大神島のルールにしっかり則りながら観光案内してくれる大神島のおじいによるガイドをお願いしました。

大神島の海賊伝説

自然の神様に愛された「大神島」は、沖縄でも有数のパワースポット(聖域)が集中する島で、島の周囲は約4km人口22人(2019年1月現在)の小さな島です。大神島以外の宮古島周辺諸島は橋がかかり、車で行かれるようになりましたが、大神島へは宮古島の島尻漁港から定期船を使って渡ります。
大神島

便数は1日たったの4~5往復。1離島の離島なので、20年ほど前までは観光客の多くは来ない島でしたが、近年はネットの普及に伴い、年間200人足らずの観光客が、1万人来るような島になったそうです。島尻漁港を出発し、船で10分ほどで島に到着しました。

神の島は最初に拝んでから「拝所」

港には40年前に港が作られた時に崩した岩の欠片が祀ってあります。ここで島に入るためのお祈りをします。

廃校になってしまった大神中学、大神小学校

港のすぐ側には、宮古島市立大神小中学校跡があります。小学校は2006年度から休校、中学校は島外から呼び寄せた島民の孫により何とか維持していたそうですが、2008年度から生徒がいなくなり休校、そして2011年3月31日には廃校となり、残っていた校舎も解体されてしまい、今は空き地となっていました。
 
 宮古島からの離れ小島、大神島シーサーの代わりに貝殻

山に向かって集落へと入っていきます。大神島は過半数以上が65歳以上の限界集落で、最年少が40歳後半というから驚きです。私が訪れた時はお正月ということもあり、帰省している方や行政の工事の方がいらっしゃったのでわりと活気がありました。沖縄には家の門に魔除けのシーサーがいますが、この島にはシーサーではなく、貝殻でした。
 
大神島

そして、この家が、この島のルーツの家。

 

【キャプテンキッドの伝説】

数多くの謎に包まれた島ですが、そのひとつに、昔、17世紀の海賊キャプテン・キッドがこの島へ宝を隠したとされる伝説があります。
この島が海賊に襲われた際、海賊から逃れるために隠れていた島民は最後には見つかり皆殺しにされてしまったそうですが、実は島の反対側に子供達は隠れており、その残された島民の子孫がこの家の方なんだとか。
その伝説にも問題があり、30年ほど前に宝の島だと聞きつけ、世界中からこの島に来て、勝手に島を荒らし、それ以来、ここの島民の方々は外部の人々を受け入れなくなってしまったことがあるそうです。当たり前ですよね、島の人々が大切に守ってきた聖域を自分の欲のために荒らすんですから。最近では、そういう人もいなくなり、島民の方々は私たちを快く迎えてくれています。なので、興味本位で、聖域には立ち入らないようにしたいですね。

40年前までは水道水はなく井戸水

大神島はガイドさんと一緒に行きましょう!井戸は現在使っていません。

さて、遡ること港が出来る40年程前までは、電気、ガス、水道などは通っておらず、水は井戸からくみ上げていたそうです。
 
大神島の井戸です。

井戸は集落の真ん中にもあり、ここが一番大きな井戸だったそうです。
 
ここから大神島おすすめの遠見台、絶景ポイントです。

その井戸から山に向かってさらに登っていきます。そして遠見台へ。

女性だけで行う祖神祭(ウヤガン)

遠見台へと山を登っていくと、途中、大神御嶽(おおがみうたき)にむかう道がありました。
この島には、祖神祭(ウヤガン)という神秘的な村落祭祀行事があり、宮古島の狩俣・島尻・大神島地域で、地域の女性達のみによって集団的に行われ、神様役の女性に実際に神様が憑依されると言われています。大神御嶽(おおがみうたき)はこの祖神祭の中心となる最も重要で御嶽で、大神島では唯一になってしまったおばあのみが入れるのだとか。
神の島大神島で行う祖神祭
 
おじいによる説明では、この岩に降りてくる神様が司ンマ(ツカサンマ)と呼ばれる神女役に6月〜10月の間、どの時期にどんな神事を行うかを伝えるそうです。司ンマ(ツカサンマ)は神が神事を伝える4日間、島中の御嶽を唄を歌いながら周り、中2日は「神様からたくさん頂いている」為全く食事を取らず祈祷を捧げます。寝泊まりは逆側左に行ったところに小屋がありそこで休むそうです(立ち入り禁止)。
自然を祀るのが沖縄の信仰。神の島大神島
 
しかし、本当の御嶽での詳細な行事の内容については、島外の人間は勿論のこと、島内の村の人々にも秘密にされ、家族にすら話してはならないとされているそうです。この厳しい決まりは現在でも厳格に守り通されており、祭祀行事の内容はほとんど知られていません。
 
このような憑依型の祭祀は、神役の女性の高齢化と後継者がいないとのことで、島尻では1997年まで、狩俣では2001年まで行われており、大神島では現在もなお続けられていて、その期間は、島尻、狩俣からも人々が集うそうです。しかし、その方々も御嶽前までで、御嶽に入れるのは大神島のおばあのみ。島に二人いたおばあが、とうとう一人になってしまったとのこと。このおばあの居所なども秘密なんだとか。
 
沖縄地方では、「ノロ(祝女)」といって女性のみによる祭祀が現在も存続していますが、この狩俣・島尻・大神島の3地域だけしか憑依形態の祭祀を見る事ができなくなってしまったそうです。

ノロも歩く遠見台階段

さらに登りの道を進んでいくと整備された階段がありました。
 
この階段ができるまでは、遠見台に上るためのロープが準備されていただけで、そのロープをつかんで上まで登ったのだそうです。急な斜面をロープで登っていたんですね。
「遠見台(トゥンパラ)」までは約75m。頂上の少し手前に、大きな岩の神様が降りるとされるウガンジュ(拝所)へ到着しました。
神の島だけに拝所はいたるところに。
このウガンジュの岩が大神島では一番高いところにあり、島の中で最も重要な神事を行う場所で、この岩に神様が降りてくるそうです。
 
展望台になっている遠見台からは、エメラルドグリーンの美しい海と宮古島の周辺の島々を望むことができ、天気が良い日は、外地島以外(伊良部島に隠れて見えない)のすべての宮古諸島が見えます。

宮古島西平安名崎、池間大橋、池間島を望む大神島

遠見台展望台より:宮古島西平安名崎、池間大橋、池間島

カミカキスは宮古島の北、大神島

カミカキス

 
またこの山の向こうは、風葬があったことをしめす風葬墓があり、実際に明治の頃まで風葬をおこなってきたという歴史があります。

大神島での風葬の方法は、風通しの良い「後世山」と呼ばれる島の洞窟で遺体を放置する方法で、昭和時代には洞窟などから多数の遺骨が発見されたことがあるそうです。
ちなみに、祭祀の最中には、遠見台へ上がることも禁止されるので、行かれる際は行事期間をさけて行かれることをおすすめします。

大神島の神秘に出会う旅

大神島
大神島の頂上の遠見台の先は行かれないので、井戸のところまで引き返し、そこから山を背にして「カミカキス」の方に向かいます。

アダン
途中、アダンの実がなっていました。


 

甘いからかじってごらんと一粒ちぎってくれました。昔はこれが子供たちのおやつだったそうです。

遠見台から見えた「カミカキス」という岩が並んでいる海岸線まで下りていきます。
 

きれいに整備された大神多目的公園が見えて来ました。その先にあるのが「カミカキス(スは小文字)」です。

大小さまざまな形をした岩が、海岸沿いに綺麗な楕円状に整列しています。
自然にこのような配置になったのかは不明ですが、神秘的なものを感じます。そしてなぜか、カミカキス、の「ス」は小さい「ス」。(笑)
 
透き通った海の中をのぞくとお魚がたくさんいます。この浜は貝やカニ、タコなんかもいるらしく、地元の人が素潜りで採ってました。

島一周道路はたたりで断念!?

実は大神島の海岸線一周する道路は、途中で切れているのです。その昔、島を一周させる道路工事を計画し、大神島一周道路の建設が始まりましたが、半分まで道路を作ったところで、さらに工事を進めると、ブルドーザーの爪が何度も折れたり、重機が故障したり、不可解な事が続出した為、工事が中断され、難航を極めたのだとか。

それでも当初の予定ルートを変更するなどして、建設工事は進められたそうなのですが、そのうち工事関係者の人たちや島民が原因不明の病気になったり、説明のつかない現象が続出。 ついに工事関係者が、神の怒りに触れたとして工事から撤退。大神島の一周道路は途中で途切れた形になっていて、現在も、島の途中までしか道路が出来ておらず、その先は行くことができません。
 
大神島の御獄

カミカキスを横に見ながら、海岸沿いを港方向に少し歩くと、右側に海の神様がやってくる御嶽(ウタキ)があります。
 

御嶽(ウタキ)の入口のちょうど海側正面の岸壁が「神様の通り道に邪魔になっていた」とのことで、一部を削り、通り道を作り、砕いてしまった大きな岩をここにおいたのだそうです。
 

港までいったん戻ります。ちょい休憩。そして島の唯一の交通手段(?)のカートに乗り換えて、さらに東の方角に進みます。
すると、カーブに沿ってまあるく、とびでたような形の砂浜が見えてきました。

ここは,左右からの潮の流れがぶつかる「マウケー」又は「パマサス」と呼ばれる砂浜でしょうか?

神事を行うおばぁと会えた!

ん?人がいる?
カートを運転するおじいは、「え?今日なんかあったっけかな?」とぶつくさ言ってます。
白い服を身にまとったその人の後ろをカートが通る。
私がその姿を目で追うように振り返りながら見ていると、座ったその人が振り返りました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
目が合う。
その人は、私の顔を見て、歯を大きくむき出しながら笑顔で会釈してきた。
おばあだ。おばあがお祈りしていたのだ。
白い砂浜にお供えをしながら、海に向かってお祈りをしている。
震えた。おばあが神々しく見える。
 
会えた。会えるべくして出会えた感覚だった。
 
祖神祭(ウヤガン)の時に神が神事をいつ何やるかを決めると言っていた。
まさにその日のひとつだったに違いない。
私も長い宮古島滞在で、この日この時間を選び、この島へとやってきた。
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何度も言うけど、おばあの居処は島の人々は誰も教えてくれないのです。写真を撮ることも許されません。
おばあの姿は私の目にだけ焼きつけさせて下さい。
 
砂浜の写真だけ載せます。

 
その小さな海岸の先には、 数多くの奇岩(ノッチ)と呼ばれる岩がありました。長年の波による浸食で、 付け根の部分が大きくえぐれた岩が、 海岸線のあちこちにゴロゴロしています。

この岩もあと数年で折れてしまうそうです。
 

この先で行き止まりで、階段があるのですが、この日は潮が満ちていたので、 実際に下りることはできませんでした。 もしかすると潮がひいたとき、プナイパーまで歩いていけるのかも知れませんね。
こうして2時間余りの島の観光は終わりました。

大神島唯一の食堂兼民宿「おぷゆう食堂」

今回は船の時間もあり、食べることが出来ませんでしたが、2013年に開業した、大神島唯一の食堂兼民宿「おぷゆう食堂」。
大神島の唯一の食堂おぷゆう食堂
観光案内の事務所も兼ねてます。ここの名物はタコ料理。
 
手つかずの大自然がそのまま残っている大神島。
シュノーケリングをすれば素晴らしいサンゴたちに出会え、朝には朝日を、夕方には夕焼けを、夜には星をみることができます。

 

大神島へのアクセス

大神島へのアクセスは、島尻港フェリー乗り場から、約15分ほどで行くことができます。1日5往復(4月~9月)、1日4往復(10月~3月)。大神島~宮古島定期便 時刻表(船名:スマヌかりゆす・所要時間:約15分)

大神島のホームページはこちらをご覧ください。
宮古島島尻港:沖縄県宮古島市平良島尻1476
大神海運:0980-72-5477 ※アクセス情報はこちらをご覧ください
(片道)大人350円、小人180円 (往復)大人670円、小人350円

青木さなえ

セブンティーンの専属モデルや、CM、スチールなど、ティーンズモデルとして活躍する中、16歳の頃、日本テレビ年末ドラマ「なんて素敵にジャパネスク」新人オーディションで4万8千人の中からグランプリ受賞、ドラマデビュー。
その後、TBS『土曜深夜族』エンジェルスのメンバーとしてレギュラー 出演。芝居以外にも歌・ダンス・お笑いにも活動の場を広げる。 現在、フリーになり、女優業を中心に活動中。
 プライベートでは世界各国を旅をし、貴重な体験を持つ。詳しくはブログをご覧ください↓
“sanakoのモト”

2017年2月17日公開、2020年10月10日更新

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