沖縄本島北部に「やんばる(山原)」と呼ばれる亜熱帯の森が広がっています。ひとくちにやんばると言っても、かなり広いこのエリアは、何度も沖縄に来ている私でも、未開拓のエリア。その中でも最北部にある国頭村のパワースポット「アスムイハイクス(旧大石林山・だいせきりんざん)」がリニューアルオープンしたということで行ってきました。
目次
国頭村にある大石林山が2024年12月28日、アスムイハイクス(ASMUI Spiritual Hikes)に名称を変更してリニューアルオープンしました!
出典:アスムイハイクスHP(ストーンラウンジ)
内部も素敵です!
アスムイハイクスのビジターセンターでは、入場券の購入、シャトルバスの乗車、音声ガイドの貸し出しなど、トレッキングを始めるための拠点となります。シアタールームでは、大石林山の歴史や自然を紹介するオリエンテーション映像が上映されています。トレッキングコースの解説や、琉球神話の聖地としての歴史を学ぶことができるため、コースを歩く前に見ておくと、より深くアスムイハイクスを楽しむことができます。
流れとしては、ビジターセンター内にあるチケット売場で入場料を払い、その目の前から出ているシャトルバスで「スピリットラウンジ」と名付けられた建物まで向かいます。チケットの支払いは、現金、カードOK!
出典:アスムイハイクスHP(スピリットラウンジ)
出典:アスムイハイクスHP
コースはレギュラーコース(60分)とショートコース(30分)があり、それにプラスして帰りに歩いて降りるガジュマルロード(30分)があります。
出典:アスムイハイクスHP
■ 営業時間 9:30~17:30(最終受付 16:00)
■ 年中無休
■ チケット料金
大人2,500円 15歳以上
小人1,000円 6歳~14歳
(入場、シャトルバス・音声ガイド・ラウンジ利用込)
※県民割りあり(沖縄県民は半額で利用できます。但し、住所の入った証明書が必要)
■ 無料駐車場完備
■ 所要時間:90分~150分程度
<内訳例>
受付からスタート地点まで/約30分(バスで移動)
レギュラーコース/約60分
ショートコース/約30分
スピリットラウンジで休憩/約20分
徒歩(Spirit Forest)又はバスで下山→ストーンミュージアムへ/約30分
別途、料金はかかりますが、大石林山元所長の喜瀬慎次氏が、「聖地誕生秘話」「オボツカグラとニライカナイ」「不思議体験レポート」等々、この地にまつわるスピリチュアルな世界をご案内するスペシャルツアー。
安須森御嶽(アスムイウタキ)は天から降りた沖縄の創生神アマミキヨが、最初に創った聖地だと言われています。この岩山全体は、中世以前から信仰の対象とされてきました。近世以降、「安須森御嶽」「辺戸御嶽」「黄金森」「ウネーガラシ」など、様々な名称で呼ばれていますが、近代以前に頂上で祈りを捧げていたという歴史的な記録はなく、そのため、以前から地元では「登らないでください」と呼びかけています。
琉球王国時代の人々は、頂上に足を踏み入れることなく、麓や中腹から頂や天を仰ぎ見て「お通し」として祈りを捧げていたと考えられています。
戦後、米軍によって頂上の一部が破壊され、その後、地元や地権者の同意なく祠が設置されたという経緯がありますが、頂上は本来の拝所ではないようです。地元の方々は、人たちの祈りの心に想いを馳せ、頂上には登らずに「お通し」で祈るという古来からのスタイルを継承していきたいと考えています。
スプリットラウンジから、うっそうと茂るジャングルの中に入っていき、レギュラーコースを廻ります。いたるところに大きな岩がゴロゴロとあるコースは、まさにカルスト地形を楽しむコース。2億年前(古生代)の石灰岩が隆起し、長い歳月をかけて雨水などにより浸食されたカルスト地形で、世界最北の熱帯カルストといわれています。
大自然の亜熱帯のジャングルに囲まれ、人の気配はないけど何かがいそうな雰囲気があり、一人だとちょっと怖いかもしれません。天然のジェラシックパークのようで、恐竜が出てきそうです。
ウガンジュ(拝所)。オープンしたての頃、ここから声が聞こえてきたという不思議な場所。
ここは石林の森。けもの道を歩いていると奇岩や巨石が突如あらわれ、その間をくぐり抜けて歩いて行きます。特にこのコースには、ウガンジュ(拝所)が多いように感じます。岩の形が、キョンシーやイグアナやゴリラに見えたりと、次から次へと色んなユニークな岩が登場します。
孫悟空が生まれた岩山をイメージして命名されたという迫力満点の巨大岩山『悟空岩』。そこからぐるっとまわった裏側には『石林の壁』があります。
天井界と地上界の神々が集う聖地。石林の壁に降り注ぐ朝日を通じて太陽のエネルギーが集まるというパワーストーンが置かれています。パワーをいただきましょう!
「骨盤石」や「輪廻生まれ変わりの石」など見ながら進んでいきます。何だか山登り気分。景色が広がってきました。
上り始めて10分くらい歩くと波の音が聞こえてきて、さらに眺めが良くなり「展望台ステージ」に到着!天気の良い日には、この展望台から鹿児島県の与論島や沖永良部島までを一望することが出来る大パノラマ。
海に向かって突き出しているのが、本島最北端の辺戸岬です。
逆に辺戸岬からはここアシムイハイクス(旧大石林山)、安須杜(アシムイ)の四連の岩山が見られます。地元の古老たちは、それぞれ四連の岩山をシノクセ、アフリ、シジャラ、イヘヤと呼んでいるそうです。
最後のコースは、シャトルバスに乗って降りることも出来ますが、色濃く残る亜熱帯のやんばる森を歩くコース(Spirit Forest)で、スプリットラウンジから駐車場につながる下り坂なので、歩いて降りましょう。
無数の根を垂らしたガジュマルをはじめ、大きなソテツなど、亜熱帯の木々が生い茂り、自然の力を感じます。
最後は森の主「御願(うがん)ガジュマル」。ベンチもあるので、休憩がてら見事なガジュマルを堪能しましょう!沖縄本島最北端、那覇から3時間かかる場所ですが、大石林山は大自然に囲まれた大きなパワースポットでした!
年間を通してニガナ・ヨモギ・サクナ等地元で採れたフレッシュな薬草を使っている「ぼろぼろじゅーしー」や「薬草スーチカーピザ」はここでしか食べられないおススメメニュー!
ぼろぼろじゅーしーとは、沖縄の家庭料理で雑炊やおじやのようなもの。薬草スーチカーピザは、沖縄の伝統料理スーチカー(豚の塩漬け)のスライスの塩味と薬草の香りが楽しめます!
<ふれあい食堂 なんと屋>
■営業時間:11:00〜16:00 《ラストオーダー 15:30》
ビジターセンター内には、「沖縄の石」をテーマにした地質・民俗系の博物館も開設しています!
広いスペースに石に関するあらゆるものが展示されていて、県内すべての市町村から岩石標本や、昔懐かしい石製の民具などを展示。展示品は自由に手で触れて感触を確かめることができます。入場無料というのも嬉しいですね!
<沖縄石の文化博物館>
■営業時間:9:30〜17:30
■入場料:無料
◆アスムイハイクス(旧大石林山)のホームページはこちらです。
住所:沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241 TEL:0980-41-8117 営業時間:9:30~17:30(最終受付16:00)