★読谷村観光記 ~しのはらさとみさん
嘉手納の道の駅から嘉手納基地を見渡し、NAVYと機体に文字の光る航空機が絶え間なく飛び立つのを見た後、私たちは日本で一番人口の多い村である読谷村で、喜名番所に立ち寄った。その昔、喜名は政治・行政の中心地として役所(番所)が設置され、宿場町として栄えた町。番所を復元された建物が観光案内所となっている。
沖縄は祖先崇拝の地、家族でお墓参りをし、祖先と一緒に宴を持つと聞いたことがある。番所で出会った女性の家族の墓は米軍基地の中にあるという。だから、決められた開放日にしかお墓を訪れることができない。そんな現実を「うちなーんちゅは何でも受け入れてきた」とさらりと話す。
「シンガポール」という名前の店もある通りの一角にある沖縄すばの店『番所亭(ばんじゅてい)』で、旨いそばを食していると、同じようにそばを楽しむ渡辺えりさんがいた。芸能人の方もよく寄る店だと後で聞いたが、女優に遭遇するとは驚いた。ドラマ撮影でコンシェルジュの衣装を着ていたのがバスガイドに見えて、失礼ながらベテランバスガイドさんだと思い込んでいた。
腹ごしらえができたので陶芸家が集まっている「やちむんの里」に向かう。
ひとつの小さな村の形を呈した「やちむんの里」は、オーストラリアやカナダなどの田舎町にあるクラフトのショップが並ぶ通りを思い起こさせる風情である。文明の余計なものがなく、落ち着いた雰囲気の中、集中して制作ができるのだろうと想像する。順に陶芸店をめぐる。
それぞれ個性があり、自分の嗜好が掘り起こされる。陶芸の器から、選んでと聞こえてくるような気がして、迷わず赤絵の茶碗と口が沖縄県の形をかたどっている花瓶を買い求めた。
12月だというのに26度という気候に、ここでも「ぜんざい」を食べることにした。お店のメニューに「ぜんざい、Cold or Hot」とある。沖縄でぜんざいといえば、金時豆にかき氷をかけたものと沖縄リピーターなら常識。では、Hotとは何?と尋ねると、氷のないぜんざいとのこと。うーん、普通のぜんざいのことなのね。もちろん、ここではぜんざいを頼んだ(紛らわしいけれど、沖縄でのぜんざいのこと)。甘くて冷たいぜんざいと青い空。沖縄はこう出なくっちゃ。
最後にほっこり、少し眠たくなってきました。
しのはらさんの「琉球土産はスーパーにあり」の記事はこちらです。