沖縄では新正月で祝うことが一般的になっていますが、旧正月を祝う風習が残っていて、その中でも、その風習が色濃く残り、島全体がパワースポットといわれる「神の島 久高島」で旧正月のお祝いを見てきました。「久高島」は南城市にあり、沖縄本島東の小さな島で、琉球開闢(かいびゃく)の神が降り立った地として、琉球王朝時代は国を守る祭祀において重要な島でした。その風習の一つ、旧正月の酌取り(シャクトゥイ)の儀式を紹介いたします。
2021年の旧正月は2月12日(金)です。
まず、久高島徳仁港に着くと、「徳仁川拝所」で神に到着の挨拶を行います。どこから来た者か、何が目的できたかを伝えることで、島内にある拝所に伝えられると言われます。この日は旧正月、島民や島関係者達は、正装で、最初の挨拶を行っていました。
島内のそれぞれの家には、国旗が掲げられ、一昔前の日本の祝日を思い出します。
神事が行われる外間殿(ほかまでん)には、土日に当たったこともあり、例年より多くの人たちが集まっていて、暑いくらいのいい天気に恵まれました。
神事を司る神人は女性。男性2人ひと組で新年のご挨拶です。
神人を介して、神々と島の人たちが盃を交わし、年齢の上の人から、次第に若い人へと続けられていきます。
外では、若い人たちが中心で三線、太鼓をたたき、沖縄民謡を演奏続けているのですが、突然、曲調が替わり、軽快な曲になります。
神と盃を交わしたあとの二人は、なんと、カチャーシを踊り始めるのです。
男性だけが酌取りをするのですが、カチャーシになると、女性達も含めた家族や親戚達が一緒に踊り出します。この日は島出身者も里帰りして、200名を超える人たちが参加していました。このようにして、続けられていきます。
外間殿での神事を終えると、各家庭への挨拶回りが始まります。私も同行させてもらいました。家長が挨拶に来た人に対し、盃を交わし、挨拶を行います。そして、簡単な食事が振る舞われるが、この日は精進料理、肉は出てきません。刺身、エビフライをいただきました。
「神の島」といわれる久高島、この酌取りは年間何度も行われる神事のひとつであるが、その奥深さ、歴史を感じます。島内を回り、久高島をもっと知っていくと、その良さがわかってくるでしょう。次回は島内を案内してくれるガイドについて、しっかり教わりたいものです。
久高島については「久高島振興会」のホームページをご覧ください。
住所:沖縄県南城市久高島