ゆいレールに乗って、蔵元見学ができるのが、首里の3つの蔵元さん。今回は、試飲をしながら蔵元見学だ。
さて、首里三箇という言葉は聞いたことあるだろうか。首里にある3つの町で、鳥堀町、赤田町、崎山町のことを指し、いずれも首里城周辺に位置し、18世紀から19世紀にかけての琉球王朝時代はこの3つの町のみ泡盛造りが認められていた。その当時は約40の酒造所がこの地域に集まり、泡盛造り出されていましたが、各地に移転していった。今では、これから紹介する4蔵のうち、3蔵が首里三箇に残り、瑞穂酒造は2駅先の「市立病院前駅」近くに酒造所がある。
嘉永元年(1848年)創業、168年になる。7代目、玉那覇美佐子社長は、沖縄県酒造組合会長を務めている。首里三箇の鳥堀町に工場があったが、各町のため、現在の末吉町に1986年に移転した。写真は、ゆいレール「市立病院前駅」ホームから見下ろす感じで撮ったもので、駅からの近さがわかるでしょう。
見学できる場所は、「天龍蔵」。入り口をはいると、四角いふたが見えますが、この下が地下貯蔵庫になって、蒸留した泡盛をここに入れるようになる。ついたての向こう側は、のぞき込むことができるように、係員が開けて見せてくれる。ポケットのペンなど落としやすいものは要注意、なんと言っても好きなものがたっぷり貯蔵されているので、思わずのめり込みそうになる。
ビデオで泡盛造りの工程や、瑞穂の歴史を勉強したあとは、試飲が楽しめる。銘柄数も豊富で、梅酒、一般酒、古酒など一通り用意されているので、備え付けのおちょこで楽しめばいい。
住所:沖縄県那覇市首里末吉町4-5-16 TEL:(098)885-0121
見学:午前の部10:00~12:00 午後の部13:00~16:00 入場無料
駐車場完備 要予約(お電話にてご予約ください。)
赤田町にある識名酒造は、1918年(大正7年)創業。沖縄戦では、咲元さん同様、焼け野原になったが、当時の社長が古酒甕を地中奥深く埋めて置いたため、沖縄では最古と言われる150年、100年を超える古酒が現存している。
中央が識名社長、左が息子さん、右が真栄城さん。ビックリするような泡盛もあるので、識名酒造の本当の味わいがわかるだろう。(最後に店舗情報)
ちょうど三角棚で製麹をしているところ。2日間かけて黒麹菌が広がり黒ずんで来る。
仕込みタンク。製麹後、仕込みタンクに移され、約2週間、発酵させていきます。天井が黒ずんでいますが、これは黒麹菌。長年泡盛を造ってきた証拠です。
入り口に並んだ『時雨』を中心にした泡盛。グラスを置いてあるので、各自自由に試飲ができます。手が空いているときは説明してくれますが、小さな蔵元さんなので、ご容赦を。
住所: 沖縄県那覇市首里赤田町2丁目48 電話:098-884-5451
営業時間:8:30~17:00 定休日:土、日曜日、祝日(12:00~13:00休み)
工場見学はあらかじめ電話連絡の上、確認をとってください。人数が少ないので対応できないときは、入り口の試飲コーナーで手酌でどうぞ。
1887年(明治20年)創業。泡盛の蔵元の中では規模が大きいところ。『瑞泉』の名前が各銘柄についているので、飲んだことがある方も多いだろう。首里城には瑞泉門があって、そこには「龍樋」と呼ばれる泉が湧いており、その泉が質量ともに中山第一と言われたくらいで、その瑞泉門から名前をいただいた。見学は、正月3が日を除き、土日、祝日も受け入れているので計画が立てやすいだろう。
試飲コーナーの裏側にある甕貯蔵庫。
産業祭りで新商品を持ち、PRされていた佐久本学社長。この泡盛の名前はついている頃だろう。
追記~瑞泉『碧-blue』と名付けられました。
2018年6月より佐久本社長は沖縄県酒造組合の会長に就任されました。
試飲コーナーでは、中心になる4つの銘柄の他、沖縄限定やその時の特別泡盛なども試飲させてくれる。
住所:沖縄県那覇市首里崎山町1-35 電話:098-894-1968
見学可能時間:9:00~17:00(受付) 年末年始除き無休 駐車場:あり。
泡盛の蔵元で、車を使わず行かれるところは少ない。その中で、首里のこの酒造所は歩いて回れるくらい至近距離にある。ハンドルキーパーがいらっしゃればいいが、是非飲んでもらいたいので、首里城と合わせて見学したらどうでしょうか。
文、写真:泡盛おじさん