「琉美の島」と称される沖縄・久米島。美しい海が注目されがちですが、清らかな水が育む豊かな森と川も大きな魅力です。今回は、島の中央部に位置する久米島町大田の「久米島ホタル館」で開催されている「ミステリーナイトウォッチング」に参加してきました。暗闇に包まれた夜の館内や周辺の森・川をライト片手に探検し、夜だから見られる生き物たちと出会う約1時間の夜間ツアーの様子をお届けします。
ツアーの拠点となる「久米島ホタル館」は、島の中央部、久米島町大田の緑豊かな山あいに位置しています。久米島交番の脇の道を奥へ約1キロほど進んだ場所にあり、島固有のクメジマボタルをはじめとする川や森の生態系保全・環境学習の場として親しまれている施設です。
今回参加したのは、夜の自然を体感する約1時間のプログラム「ミステリーナイトウォッチング」。開催時間は19時30分から(夏期は20時開始)で、参加料金は大人(12歳以上)3,500円、小児(6〜12歳)2,000円、幼児(3〜5歳)500円(いずれも税込、ガイド料・備品レンタル料・保険料込み)となっています。この参加費の一部は、久米島の水質改善や赤土対策といった自然環境保全の基金としても役立てられているそうです。
集合場所の館内で受付と簡単な説明を済ませると、いよいよ佐藤館長の案内でミステリーツアーのスタートです。手渡されたライトの明かりだけを頼りに、夜のホタル館内や周辺の森、川沿いのフィールドへと足を踏み入れます。
遊歩道を歩いているとカニ達が普通に歩いていいました!「弁慶ガニ」だそうです。足元に注意しなければいけませんね!
こちらは「オオヤドカリ」です。日本国内では、すべてのオカヤドカリ類が「国指定天然記念物」に指定されています。そのため、野生のオカヤドカリを捕まえたり、持ち帰ったり(採集)することは法律で禁止されています。
この虫は「キマダラマツムシ」。求愛中です!キマダラマツムシは、一般的なマツムシのように「チンチロリン」という美しい美声ではなく、ハサミの開閉音や紙をちぎる音に例えられる非常に地味な鳴き声が特徴です。キマダラマツムシのオス(画像右)は、わずかに羽(はね)を開いて「ジッ」と小さく控えめな音を出しながら、メス(画像左)へ健気に求愛します。
お次は「オオウナギ」です。こんなに大きなうなぎが川にいるなんて凄いですね!もちろん天然です。オオウナギは目があまり見えず、餌である手長エビがすぐ横にいても気がつかなかったりするそうです。しかしどうやって餌を手に入れるのだろう?この日は3回もオオウナギと遭遇。ラッキーでした!
そして「テナガエビ」です。目が光っているので探しやすいです!水の透明度が素晴らしいですね!
美しいマイマイ(かたつむり)ですね。陸マイマイと言っていましたが、クメジママイマイかな?この日は小雨が降っていたので、生き物たちは活動的でした!
オキナワキノボリトカゲです。体長は20~30cm。樹上棲で、木の枝や幹に擬態してじっと過ごすことが多いそうです!
オキナワモリバッタです。オキナワモリバッタが食べている葉っぱは「クワズイモ」の葉。クワズイモは人間の皮膚にかぶれを起こさせ、食べると激しい食中毒を引き起こす「シュウ酸カルシウム」という毒(結晶)を全草に含んでいます。そのため、大半の生き物はクワズイモを避けますが、オキナワモリバッタはこの毒に対する耐性を持っており、好んで食べるそうです。
一時間ほどのツアーでしたが、たくさんの生き物に出会えることができました。写真には収めきれませんでしたが、この時期はスジボタルが飛び、スジボタルの幼虫が光っていました。とても有意義な経験となりました!
久米島ホタル館が建つ浦地川は、かつてクメジマボタルが途絶えてしまった場所でした。「もう一度この川にホタルを呼び戻そう」と2000年に開館して以来、久米島ホタルの会と「久米島ホタレンジャー」はビオトープ再生に取り組み続けています。

出典:久米島ホタルの会HP
2011年には1,000匹が乱舞するほどの成果を上げたものの、翌年の農地開墾に伴う赤土流出で川が埋まり、生息数は再び落ち込むという苦難に見舞われました。それでも諦めることなく、堆積した赤土や漂着ゴミの清掃活動を地道に継続。その甲斐あって、現在もホタルの命はしっかりと繋がれています。
毎年4月の発生調査で見られる幻想的な光は、過酷な自然環境と向き合いながら島の大切な命を守り続ける人々への、何よりの励ましとなっています。

今回は久米島ナイトウォッチングに参加しましたが、久米島ホタル館では、他にもツアーがあります。それに久米島はとてもきれいな星空観察もできます!本日ガイドをしていただいたホタル館の館長が案内してくれます。ぜひ久米島を訪れた際には、久米島ホタル館にお立ち寄りください!
住所:沖縄県島尻郡久米島町字大田420 ☎098-896-7100 開館時間:9:30 〜 17:00 休館日:月・火