ゆいレール安里駅から徒歩約5分、那覇市三原にある「花園寄席」は、落語イベンターの知花園子さんにより2024年11月23日にオープン。東京や大阪から活躍中の落語家や講談師、浪曲師などを招き、マイクがいらない距離で臨場感がある手作りの寄席です。既存の寄席が持つ古典的な演目に加え、沖縄の文化、言葉、そして人々の温かい気質が感じられる、素晴らしい寄席になっています!
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ゆいレール安里駅から徒歩約5分。那覇市三原にある興行小屋「花園寄席」。
写真は沖縄県内で約8年前から落語イベンターとして会場を借り落語会をやっていた知花園子さん。知花さんの念願が叶い、2024年11月23日に「花園寄席」をオープンしました!実はこの花園寄席は築73年の古民家で、1年をかけリノベーションしたそうです!
知花さんは、母親が落語好きでその影響を受けます。今は、沖縄で放送されていませんが、「笑点」が沖縄で放送されていた頃からますます落語の世界にはまっていきます。特に桂歌丸さんが好きでよく聞いていたそうです。
知花さんが着ているTシャツは現在活動休止中のむぎ(猫)ちゃんです。特にむぎ(猫)ちゃんファンの方には見てもらいたいカイヌシゆうさくさんの音楽発表会を毎月アベニア花園寄席で開催しています。
花園寄席では、落語だけじゃなく講談やスタンドアップコメディなども開催。席数は50席でマイクがいらないちょうどいい広さです。訪れたこの日は、読谷村出身立川笑二さんの落語の日でした!
この日は満員御礼!雰囲気も良く上等な寄席ですね!木戸銭(料金)は二つめ2500円、真打ち3500円。ちなみに高座の写真は沖縄リピートの取材でまくらの時だけ許可をいただきました。通常は写真撮影NGですのでお気をつけて。
花園寄席の演者さんは、すべて席亭の知花園子さんが、実際に見て聞いて、「これは」と思った方を呼んでいます。あるときはYouTubeを見て、出演依頼して、新しい芸人ネットワークも広がっています。主な演者さんをご紹介します。
人気演芸番組「笑点」のレギュラーの宮治さんは、二つ目時代から知花園子さんと交流があり、沖縄で4回の独演会を開催。2025年は4月18日に知花園子さん主催で久茂地のタイムスホールで開かれました。
1994年3代目桂春団治に入門、2009年3代目桂春蝶を襲名。2015年には上方落語家として初となるフェスティバルホールでの独演会を開催、2700枚のチケットを完売させる。「桂春蝶の落語で伝えたい想い。」をシリーズ化し、「ニライカナイで逢いましょう〜ひめゆり学徒隊秘抄録〜」など命の落語に力を入れる。次回は10月25日。
初代柳枝は「春風亭」を初めて名乗った落語家。9代目は2021年の真打ち昇進と同時に62年ぶりに復活大名跡柳枝を襲名します。2023年、2024年に国立花形演芸大賞金賞。次回は12月20日。
2011年三遊亭円丈に27歳で入門。2023年には年間1509席の高座をつとめ、2024年、16人抜きの抜擢真打ち昇進。北九州でバンドのボーカルをやっていた経験から、落語の中で歌うこともありです。古典はもちろん、創作落語もこなします。次回は7月6日。
放送作家から浪曲師に転身、2007年27歳で2代目玉川福太郎に入門。古典を継承する一方、放送作家らしく創作を得意とする。その一つが映画「男はつらいよ」の浪曲化。8月3日と12月13日に曲師玉川みね子と「男はつらいよ」を演じる予定。落語家の瀧川鯉八、春風亭昇々、立川吉笑とともにソーゾーシー(創作話芸ユニット)を結成。
2011年立川談笑に入門、現在二つ目。読谷村出身の落語家。古典落語に現代風の笑いを加えた芸風。創作落語もこなし、花園寄席では2ヶ月に一度登場するレギュラーです。
2025年の花園寄席のスケジュールです。新たなスケジュールが追加されることもありますので、気になる方は花園寄席のSNSをチェックしてください!
★花園寄席のXはコチラ
090-9497-9484知花園子さんまでご連絡ください。沖縄の方は、事前にアベニアでチケットを購入するようにしてください。また、デパートリュウボウ4階のチケットセンターで購入も出来ます。
花園寄席には駐車場はありませんが、周辺にたくさんのコインパーキングがありますので、ご利用ください。1時間100円~、打ち切り最大料金が500円~800円。
それぞれの会は、開演時間が異なります。開場は30分前を予定していますが、少人数で準備を行っているので、ドアが開くまで外でお待ちください。
「花園寄席」は、単なるエンターテイメントとしてだけでなく、地域コミュニティに根差した活動としても注目されています。高齢者の方々にとっては、昔ながらの娯楽を楽しむ貴重な機会となり、また若い世代にとっては、地域の伝統文化に触れる入口となっています。さらに、時には地元の若手芸人の育成の場として、あるいは地域活性化イベントの一環として開催されることもあり、その存在は地域社会にとって不可欠なものとなりつつあります。
オープンして半年が経った花園寄席。沖縄の豊かな自然と独特の文化が息づくこの地で、静かに、しかし確実にその根を張り、多くの人々を魅了しています。本土の伝統的な寄席文化とは一線を画し、沖縄ならではの要素が随所に散りばめられたこの催しは、単なるお笑いの場を超え、文化交流の場としても、その価値を高めていますよね。
沖縄に咲く笑いの花園へぜひお立ち寄りください!
花園寄席にあるこの「アベニア」の看板について説明しましょう!
写真提供:おきらく亭すい好さん
アベニアは、那覇市壺屋で長年にわたり愛されてきた老舗の洋菓子店です。店長の塩川さんが洋菓子学校や東京での修行を経て、友人からお店を引き継ぎ、地域に根差したケーキや焼き菓子を提供してきました。特にバナナケーキは、その店の代名詞ともいえる人気商品でした。
しかし、建物の老朽化などを理由に、2022年2月28日をもって閉店することが決定しました。長年の歴史を持つお店の閉店は、多くの地元住民やファンにとって惜しまれる出来事でした。
閉店の報を聞いたアベニアの熱心な常連客やファンは、「アベニアをなくしたくない」という強い思いから、知花さんを中心に移転・再開のための支援活動を開始。具体的には、クラウドファンディングなどを通じて移転費用を募る動きがあったとされています。この支援の輪が広がり、アベニアは再び営業を再開する運びとなりました。
写真提供:おきらく亭すい好さん
そして、2022年10月16日、アベニアは知花園子さんが店主となり、那覇市三原(花園寄席の目の前)で無事に移転・再オープンを果たしました。「奇跡の洋菓子店」と呼ばれています。知花さんは元アベニアの人気商品「バナナケーキ」と「エンジェル」を引き継ぎ、週3回程度ケーキ店として営業しています。営業と言っても店内にショーケースがあるわけじゃなく、冷蔵庫から出してくるケーキ屋らしくないケーキ屋ですが、ファンがとても多く毎回完売しています。ケーキも作れる知花園子さんが凄いですね!
ラッキーな事にこの日の花園寄席でも販売していたので、もちろん購入!
手前がバナナケーキ、奥がエンジェル。甘さ控えめでしっとりとしてとても美味しかったです!
花園寄席にも「アベニア」について書かれていますので、訪れた際はぜひご一読ください!
読谷出身、隔月出演の立川笑二さんと、この日「花園寄席」に来られていた沖縄の落語家、おきらく亭すい好さんです。
おきらく亭すい好さんは昨年末、大阪府池田市で開催されたアマチュア落語家の全国大会「第15回社会人落語日本一決定戦」で、339人の応募者から1次審査を経て158人が予選会へ。これを勝ち抜いた10人が決勝に進出し、優勝の14代目名人、準優勝はおきらく亭すい好さんが受賞しました。過去にも沖縄県内から決勝に進出された方がいましたが、受賞は県勢初!!7月7日(月)から7月13日(日)まで開催の「那覇・うまんちゅ落語まつり」で高座に上がられますので、ぜひ足をお運びください!
◆沖縄・那覇で一週間落語三昧!第8回那覇うまんちゅ落語祭り2025開催!の詳細はコチラです!
住所:那覇市三原1-14-5