沖縄が戦争から復興していく中で、この那覇市壺屋やちむん通りは大きな役割を果たした場所。歴史を振り返りながら、この壺屋やちむん通りを歩いてみませんか?赤瓦の屋敷や拝所、石畳を散策して、ご自分の好みの陶器を手に入れられてはいかがでしょうか。
壺屋やちむん通りへは、ゆいレール安里駅からひめゆり通りを通って6~7分で到着。16の窯元兼販売所、22の陶器販売所の他、飲食店や焼物体験ができる店舗などが集中している場所です。沖縄県人初の人間国宝金城次郎氏らが、戦後焼け野原になったこの地から復興していきます。
その金城次郎氏の作品を販売している店がありました。金城敏雄氏は金城次郎氏の長男です。平日はのどかな散策路ですね。石畳の上を歩いて、気になる店に入ってやちむんをじっくり見る。時間はたっぷり欲しいところです。
やちむん通りに入りすぐに気になる美しいやちむんが。。。
この美しいやちむんは何のためのやちむんかわかりますか?これは沖縄の骨壷なんです。昔の沖縄は風葬・土葬でした。洗骨して骨壷に収めていたため大きな骨壷が必要たったんですね。今では火葬後のお骨を収めるようになったため、大きな骨壷の需要は少なくなりました。ちなみに沖縄の方言で「みーとぅんだーカーミぬちびてぃち」意味は「夫婦になったらあの世まで添い遂げなさい」という諺があり、骨壷も夫婦二人用があるんです!ただ一人用や子供用もあるのがなんだか悲しい気持ちになりますね。。。普通のお土産屋さんではなかなかお目にかかれない骨壷です。
ガレージセールのゴリさん、照屋年之監督の映画「洗骨」のポスターが貼ってありますね。亡くなってから四年後、洗骨のために家族、親戚が集まって、家族の絆をつなぐという名作です。夫婦の骨壺がある意味がわかる気がします。ぜひ機会があればご覧になってください。
壺屋やちむん通りには、荒焼(あらやち)を行う南窯(ふぇーぬかま)、上焼(じょうーやち)を行う東窯(あがりぬかま)があり、今も見学ができる南窯を見てみましょう!
この窯は、現存する荒焼窯では最古のもので、長さ20M、幅3Mのかまぼこ型で、傾斜地に作られる登り窯。中はトンネル状になっていて、上に行くほど余熱効果で早く焼き上がるそうです。平成8年まで実際に使われていたこの南窯は、県の文化財に指定されており、琉球王府からの拝領窯なのです。
ちなみに荒焼(あらやち)とは、釉薬(うわぐすりのこと)をつけないで焼くことで、南蛮焼ともいわれ、酒甕、水甕、厨子甕など比較的大型のものが作られます。上焼(うわやち)は、釉薬をつけて直接焼く、比較的小さな酒器、食器、茶器などが作られることが多いです。
南窯のすぐ下にあるのが「カフェ南窯」。壺屋焼きの陶器を使い、コーヒーやジュース、アイス、沖縄お菓子ちんぴん、ポーポーなどが楽しめる。店内には、壺やシーサーなどが飾られており、やちむん散歩の休憩に最高の場所です。
1682年、琉球王府が美里村(現沖縄市)の知花、首里の宝口、那覇の湧田の3つの窯を統合し、壺屋焼がスタートしてから2019年で337年になります。ここには良質の土と豊富な水があり港も近く、最高の場所でした。琉球王府は、ここで陶工の育成、陶器産業の振興を進めていきました。
1944年10月、沖縄戦において、被害は受けたものの最小限に抑えられ、使える窯もあり、戦後、器を作るために城間康昌氏を中心とした103名の人たちが、壺屋を復興させていき、その中に後の人間国宝金城次郎氏がいました。壺屋を中心に役所、警察、配給所などができ、市場、映画館、劇場などができていく。まさに沖縄の復興は、壺屋が起点になったということです。
壺屋焼物博物館では、壺屋の歴史も知ることができますので、ぜひ足を運んでみてくださいね!
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住所:沖縄県那覇市壺屋1-9-32 ☎098-862-3761 営:10:00〜18:00(入館17:30まで)
休み:月曜日(月曜日が祝日・GWにあたる場合は開館)、12/28〜1/4、資料整理に伴う臨時休館