年末になると那覇市の台所と呼ばれる牧志公設市場界隈も、毎年かなりの賑わいです。・・・といいたいところですが、今年はコロナ禍の影響で、ひっそりとした年末です。仮設店舗で営業中の牧志公設市場を覗いてみましたが、例年とは違う雰囲気に少し驚きました。来年は必ず穏やかでいい年にしたいものですね。
こちらは昨年末のマチグヮー。通常であれば観光客で賑わう牧志公設市場界隈。12月30日と31日はごった返し状態のはずが・・・
同じ場所で写真を撮っても今年はこんな感じ・・・
かろうじてカマボコのジランバ屋さんに少々の行列がありましたが、例年に比べるとやはり少ないですね。ちなみにジランバ屋のバクダンおにぎり(ご飯を「ちきあぎ」と呼ばれる魚のすり身で包んで揚げたもので、見ためはまるで“まん丸のさつまあげ)は、とっても美味ですよ。
コチラは2019年の年末の公設市場内。既に仮設店舗での営業が始まり、初の年末を迎えた2019年末。買い物客でごった返しています。活気がありますね!
しかし今年は人影もまばら。
お客さんはいるものの、例年の10分の1くらいでしょうか。かなり少ないです。お肉屋さんの並びには買い物客もいますが・・・
それ以外の通路はガラーンとしています。年末の賑わう市場内に来ると「あ~年末だな~」と感じられたのに、今年は日常の市場という感じでした。仮設店舗になり初めての年末なのに、寂しいですね。
沖縄のお正月には欠かせない「中味汁」に使う豚のホルモン。お肉屋さんには、中味(豚の内臓)やソーキ(スペアリブ)が大量に売られています。中味び~び~ってなんだろう?(笑)
お正月用の三枚肉やソーキを自分で選んでビニールに入れるシステム。
セクシーなテビチ(豚の足)も売られていました。
沖縄ではお雑煮の代わりに中味汁を食べるので、みんなこぞって中味を買いに来ます!ちなみに中身とは豚の内臓で、中身汁とは沖縄の郷土料理なのです。中身汁は鰹節でダシを取り、下ごしらえをした中身と豚肉・椎茸・こんにゃくなどを入れて味を調え、あっさりとしたすまし汁に仕立て、食べる際、好みによりおろした生姜や小ネギを加えます。
そしてソーキ汁もお正月に食べる習慣があります!ソーキとは豚の骨付きあばら肉、いわゆるスペアリブのことで、ソーキ汁はソーキと、人参、昆布、大根(又は冬瓜)などをかつおだしで煮たおつゆです。汁物とは言え、具沢山で具が大きいので、立派なメインになる一品。手間も時間もかかるので、沖縄でも普段の食卓にあがることは少なく、お盆や正月、お客様が来るときなどに作るご馳走なんです。
年末に限り市場の外には、このように華やかな露店がたくさん並びます。
ズラーっと並んだ露店では、どこも同じものを売っています。
これは「飾り木炭」。木炭には昆布が巻かれ水引がかけられています。
そして赤い紙とかぎやで風節。この赤い紙は三枚セットになっていて、赤・黄色・白の紙をずらして敷き、鏡餅と先ほどの木炭の昆布巻きをその上に置くのが沖縄流。
このように供えます。そして「かぎやで風節」。「あらたまぬ年(とぅし)に、炭とう昆布かじゃてぃ、心(くくる)からしがた、若くなゆさ」。この意味は「新たまる年に炭と昆布を飾って心から姿若くなろうね」という意味だと、お店の方が教えてくれました。
この「かぎやで風節」は、沖縄の結婚式では必ず歌われる、とてもおめでたい歌。
そして毎年この時期になると見かけるのが、琉球ガラスでできた鏡餅。
鏡餅の中には泡盛が入っていて、鏡餅の上に乗っている赤い部分(通常はみかん)はグラスになっていて、そのグラスに泡盛を注いで飲めるという素晴らしさ!
そして金箔入り泡盛、新里酒造の「黄金の日日」。ゴージャスです。常圧蒸留したコクのある原酒を、樫樽とシェリー樽に貯蔵し3年間じっくりと熟成させた後、低温蒸留した泡盛をブレンドし、バランス良く丸みのある味わいに仕上げられた古酒です。金箔入りなのでグラスに注ぎ入れると目にも美しく、年末年始の贈答や祝宴に最適です。
ちなみに牧志公設市場は年明け4日より営業です!
★那覇市第一牧志公設市場よ、しばらくさようなら!の記事はコチラ
住所:那覇市松尾2-7-10 ☎ 098-867-6560 営:8:00~21:00