「平和祈念公園」は沖縄本島の南部で、第二次世界大戦の終焉の地、糸満市にあり、戦って亡くなった、たくさんの人々に祈りを捧げる公園で、資料館や慰霊碑、広場があります。
沖縄の人ばかりでなく、他県の国民や、不幸にも「敵国」として日本と戦って亡くなった外国人をも祀ってあり、今でも戦没者にゆかりのある多くの人が訪れて祈りを捧げています。
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この「平和祈念公園」は、沖縄戦終焉の地、沖縄本島南部の糸満市にあり、一番大きな建物で沖縄の民家を模したような赤い屋根の建物が「平和祈念資料館」で、第二次世界対戦・沖縄戦の記録写真や遺品などが展示されています。
入館料は300円。内部の荘厳な雰囲気に思わず身が引き締まる思いがします。
館内は写真撮影禁止となっています。
ここにはひめゆりの塔の資料館同様、米軍から提供された第二次世界大戦の沖縄戦の記録写真などが展示しており、つい目をそむけたくなるものもあります。しかし、現代でもウクライナ侵攻からもわかるように、戦争は決して過去のものではなく、今でも十分起こりうるということを私たちは理解しなければなりません。
特に日本でも憲法を改正して戦争ができる状態にしようとしている今、こうした過去の愚行から決して目をそらすことができない状態にあるのではないでしょうか?
おりしも中学、高校の修学旅行などで平和学習の一環として、この地を訪れることが多いですが、実践的でとても良いことだと思います。
沖縄は日本屈指のリゾート地ですが、リゾートで浮かれるだけではなく、沖縄に来たからには過去にこの土地にて悲惨な戦争で238,000人もの人が亡くなり、今もなお米軍基地問題を抱えているという事実を頭の片隅にでも入れておくことは重要なことなのではないかと思います。
現在、「戦争は繰り返さない」という言葉は決して他人事ではなく、私たちもしっかり信念として持っていなくてはならないものです。
平和祈念公園にはもちろん慰霊碑もあります。
とくに1995年に除幕した「平和の礎」(沖縄方言で礎は「いしじ」と読む)には、日本人のみならず外国人でも沖縄での戦争で戦って亡くなった全犠牲者、実に238,000人余の氏名が刻まれており、現在でもその肉親やかつての知人の慰霊碑を訪ねる高齢者の団体などの来園者が大勢見受けられます。
さらに戦没者の慰霊と鎮魂のためと、永遠の平和を祈る「平和祈念像」も建っています。
摩文仁の丘の上には他府県から来て戦火に巻き込まれてしまった人や団体の慰霊碑が50基も建立されています。
その後ろに広がる沖縄の真っ青な海は、かつては敵軍に追い詰められ自ら命を絶った多くの人達の悲しい場所だったのです。
沖縄がかつて激戦地だったということを知っている人は多いですが、こうして「現地」を訪れてみるといっそう沖縄の悲惨な過去が現実だったということがリアルに感じられ、平和の尊さが実感できるのではないでしょうか?
園内は広いですが、1回100円のカートもありますので、足に自信がない人も安心です。
真っ白な沖縄平和祈念堂は上からみると正七面体角錐型になっており、7つの海と合掌の形を現し人種・国家・思想や宗教に関係なく、世界平和を訴えるモニュメントの意味が込められています。
沖縄平和祈念堂内にある沖縄平和祈念像は、沖縄県出身の偉大な芸術家山田真山画伯が、全戦没者の追悼と世界平和を願い、晩年の全生涯を捧げて原型制作されました。
高さ12メートル、幅が8メートルの人間の祈りの姿を象徴した座像です。宗教や思想、政治や人種、あるいは国を超えてすべての人が戦没者の慰霊と 平和の一点に力を合わせていこうということを10本の指を合わせた合掌の形に表現されております。
平和祈念堂に併設された清ら蝶園。与論島、喜界島以南の南西諸島、つまりほとんど沖縄だけに生息する「オオゴマダラ」は沖縄県蝶にも指定されています。毎年慰霊の日(6月23日)には300蝶ものオオゴマダラを放蝶します。
「オオゴマダラ」が平和祈念公園に舞う!沖縄だけに生息する蝶の記事はコチラです。
沖縄県の県蝶「オオゴマダラ」の黄金に輝くサナギの記事はコチラです。
糸満市にある、平和祈念公園は沖縄本島の最南端にあります。それでも那覇空港からは車で35分で到着します。
そのためか、戦没者にゆかりの人だけでなく、現地のファミリーも広大な広場をめがけて遊びに来ます。広場にはいろいろな遊具もあるので、赤ちゃんから小学生位までの幅広い年齢の子供がのびのびと遊ぶことができます。
ただ、ゴミ箱や自動販売機がないので、飲み物は持参されることをおすすめします!
かつて多くの人が米軍に追い詰められて絶命したまさにこの地で、明るい未来のある子どもが元気よく遊ぶ姿はある意味シュールでもあります。
平和祈念公園に来たからと言って戦争のことばかりを考えていたら、楽しくないですので、きれいなコバルトブルーの海を見て帰ることをおすすめ致します。
「これぞ沖縄」な青い海を見れば、晴れ晴れとした気分で帰路につけると思いますよ。
住所:沖縄県糸満市摩文仁444