沖縄の結納には、伝統的なしきたりがあります。リゾートウェディングを夢見るカップルの憧れである沖縄の「美しい海」は、実は沖縄の伝統的な「結納」とも深く関わりがあり、「きれい!」だけでは片付けられない奥深い価値があるようです。そんな沖縄の結納には欠かせない、「伝統菓子」と「天ぷら」の意味を調べてみました。
笑いが出るほど巨大な「サーターアンダギー」。お祝いの席では、この巨大な「サーターアンダギー」をみんなで食べます。
「サーターアンダギー」は、黄金(クガニ)魂(ムドシ)とも呼ばれ、女性お腹の部分をを意味しています。昔から、女性が丈夫で立派な子どもを産むと、よくできた子どもたちを産みわける立派なお腹だといって、世間一般では「黄金腹(クガニワタ)」と褒めていたそうです。
それ以外でも、「サーターアンダギー」の割れて花開いた面持ちは、口を開けて笑っているように見えることから、お祝いや年中行事に必ず顔を出します。味は・・・皆さんご存知ですよね(笑)とっても美味しいです!
巨大なサーターアンダギーは、那覇市の市場本通商店街にある「松原製菓店」さんで購入できます。
これが「カタハランブー」。「カタハラ(片方)」が「ンブー(重い)」の名の通り、片側が膨らんでいて、もう片方が薄い形をしています。サイズは、女性の手の平ほど。薄い部分はパリパリしていて、膨らんでいる部分はもちもちです。甘くはなく塩味といったところでしょうか?
女性の象徴の「サーターアンダギー」に対して、「カタハランブー」は男性の象徴とされており、男性の精巣を意味しているそうです。なので結納の時には、子孫を繁栄させることを祈願して、女性宅に届けます。
「松風」は、沖縄の言葉で「マチカジ」と呼ばれる、赤いセンベイ菓子。人の縁を結ぶという意味で、“結び切り”のかたち をしています。末永くいつまでも仲良く幸福に暮らすということを意味しています。
「松風」に振りかけられたゴマは、子孫繁栄を意味するので、サーターアンダギーと同じく祝い事では必ず出てくるお菓子です。
沖縄の結納には様々な決まり事があります。
①自分が生まれた干支の年は厄年だと考えられているため、どちらかが年男・年女になる年には結納を行わない。
②旧暦の12月24日は家を守るヒヌカン(火の神)が昇天する日(神さまがいなくなる)、旧暦の7月13日~15日は旧盆、旧暦の10月は神無月(神のいない月)など、結納を避ける月や日がある。
③「潮が満ちていくようにふたりの幸せが満ちていき、この縁談が上向きに発展していきますように」との願いを込めて、干潮から満潮までの時間帯に結納を執り行う。干潮の前には、結納の儀式を始めてはいけない。
④結納場所へ向かう際には、干支に応じての方角があり、もしその方角に結納場所がない場合は、わざわざ寄り道しても方角を変えます。乗り物に乗っていく際は、寄り道した先で一度その場所に降り立ち、方角を変える。
等々、沖縄は伝統的なしきたりを重んじるだけに、古くから伝わる細かい決まりごとがたくさんあるのです。今回紹介した伝統菓子のうち、「サーターアンダギー」と「松風(マチカジ)」は、市場本通商店街の「松原製菓」で、「カタハランブー」は那覇市松尾にある「呉屋天ぷら店」で購入できるので、ぜひ食べてみてくださいね!
★牧志公設市場の歴史を見守ってきた「松原屋製菓」で伝統菓子を食べよう!の記事は、コチラをご覧ください。
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