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沖縄の中高生により生まれた奇跡の舞台『肝高の阿麻和利』

沖縄の中高生により生まれた奇跡の舞台『肝高の阿麻和利』

沖縄の中高生による奇跡の舞台といわれる現代版組踊『肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)』は、2000年に始まり20年続いている、すべてうるま市の中高生が行うロングラン公演。これまでの観客動員18万人、公演回数316回という恐るべき舞台。東京国立劇場大劇場を満席にするこの舞台の裏にはこんなに凄い話があります。

凱旋公演は台風17号のため、11月に変更です。詳細は記事内に書いてあります。

なぜ、うるま市の中高生が演じている?

出典:肝高の阿麻和利公式HP

写真のシーンは阿麻和利が勝連の浜にたどりつき、地元人に担がれて、悪政を行う望月按司を追放していくところです。

よく見るとあどけなさが残る中高生。この舞台に立っているメンバーは全員がうるま市の中高生です。

この『肝高の阿麻和利』は小中学校の校長まで務め、勝連町教育委員会教育長をされていた故上江洲安吉先生が、発案し、そのプロデュースを平田大一さんに依頼して始まったことでした。

現代版組踊「肝高の阿麻和利」東京公演を控える平田大一さんの記事はコチラです。

その時の条件が3つ。出演者は中学生に限定 阿麻和利の名誉挽回を図る 勝連地域の伝統芸能を取り入れた舞台づくりを目指して欲しい  でした。

中学生に心の教育をすること、地元の文化や歴史を伝えたい気持ちがこの舞台を作り上げられました。

事実、この舞台を通じて、仲間が出来、みんなで作り上げていく団結心も芽生え、子供達の居場所を作り上げていると同時に、地元の歴史的背景、文化などが身についてきます。

出典:肝高の阿麻和利公式HP

見事な女性アンサンブル。序盤の華やかさを魅せる重要な場面。

 

組踊ってなに?

この『肝高の阿麻和利』は現代版組踊と言われています。組踊は誕生してちょうど300年。玉城朝薫が琉球王より組踊奉行を任ぜられ、中国から琉球王の任命のためにやって来る冊封使を歓待するために作られたのが組踊です。

組踊は台詞、舞踊、歌・伴奏の大きく3つに分かれて演じられます。この現代版組踊は「役者チーム」「女性アンサンブル・男性アンサンブル」「きむたかバンド」と役割が分かれます。

よく「沖縄版ミュージカル」と表現されますが、1人のアクターが歌って踊って演技するミュージカルと違い、組踊同様、役割分担がはっきりしているところから、「現代版組踊」と表現しています。

出典:肝高の阿麻和利公式HP

 

「阿麻和利」は逆賊?それとも英雄?

②阿麻和利の名誉挽回を図るという条件ですが、どういう意味だろう? 

世界遺産・勝連城跡に行って勝連城10代目の城主(按司)「阿麻和利」の名前に出会いました。同じ世界遺産・座喜味城、中城城主となった護佐丸を討ち、首里城にいる琉球王尚泰久へ攻めていく逆賊のイメージが出てきます。

しかしながら、勝連城主と血縁関係もない阿麻和利が、城主になれたのはなぜか、悪政を働いていた望月按司を地元の人達と追放する場面が出てきて、勝連城10代目の城主となります。善政を行い、日本と交易を行うことで経済力を持ち、勝連の町を豊にしていきます。そんな英雄としての評価が高いのも「阿麻和利」です。

地元の英雄を地元の子供達が演じることで、地元に対する愛が生まれてくるのでしょう。田舎へ行けば行くほど、地元にはなにもなく、大人になったら地元を離れて戻ってこないケースがどこへ行っても一般的ではないでしょうか。

「肝高の阿麻和利」に参加したメンバーが、卒業しても公演のサポートをしたり、PRを各地で行うなど、その絆は深いものがあります。

東京国立劇場で肝高の阿麻和利

写真提供:あまわり浪漫の会 東京国立劇場『肝高の阿麻和利』より

 

「阿麻和利」は護佐丸の子達によって敵を討たれる形になりますが、部下達には、攻めてくる王国軍に対し無駄に命を捨てるなとメッセージを残していきます。

東京国立劇場『肝高の阿麻和利』の阿麻和利と百度踏揚の熱演

写真提供:あまわり浪漫の会 東京国立劇場『肝高の阿麻和利』より阿麻和利と妻百十踏揚(ももとふみあがり)

 

沖縄の伝統を守る『肝高の阿麻和利』

沖縄の伝統を伝えたい、子どもたちの居場所を作りたい、この思いからできたのが「肝高の阿麻和利」。その中には地元各地区に伝わる伝統芸能を各所に入れてあります。

出典:肝高の阿麻和利公式HP

地元の伝統芸能の一つ「平敷屋(へしきや)エイサー」を演じている男性アンサンブル。「平安名のテンテンブイブイ」など勝連の各地域に伝わるものをすべて取り入れています。

東京国立劇場での肝高の阿麻和利フィナーレ

写真提供:あまわり浪漫の会 東京国立劇場『肝高の阿麻和利』より

感動のフィナーレ。中高校生たちが、活き活きと歌って踊る、「一所懸命ってかっこいい」姿を見ると感動を呼びます。そんな『肝高の阿麻和利』を是非見てもらいたいものです。

東京国立劇場 大劇場で公演で満席!

8月10日は茨城県小美玉市での公演、そして、東京公演が8月12日と県外公演が行われました。

8月12日の個人的スケジュールを立てられたのが、1週間前。何とか取れた席は3階席の端の方でした。当日には昼、夜の公演共に満席。沖縄の中学生、高校生の舞台としては、まさに「奇跡の舞台」といっていいのではないでしょうか。

内部の写真撮影は禁止のため、開場前の東京国立劇場です。かなりの方が開場を待っている状態でした。

中学高校生達が、郷土の英雄「阿麻和利」を理解して、全力で演じる躍動感は文字だけで現わしきれません。最後に2018年卒業公演を阿麻和利チャンネル(youtube)からリンクしてありますので、是非、ご覧ください。

本物を見るとその迫力が増してくます。凱旋公演やスケジュールは調整中ですが、卒業公演も予定されています。

現代版組踊「肝高の阿麻和利」の公式ページはコチラです。

肝高の阿麻和利凱旋公演 うるま市

会場:うるま市民芸術劇場「響ホール」沖縄県うるま市字仲嶺175

台風17号のため下記日程に変更されました。

<公演日>

2019年11月16日(土) ゲスト:イクマあきら

昼公演:12:30開場 13:00開演

夜公演:17:30開場 18:00開演

2019年11月17日(日) ゲスト:イクマあきら

昼公演:11:30開場 12:00開演

夜公演:16:30開場 17:00開演

<会場>

「きむたかホール」沖縄県うるま市勝連

9月のチケットをもった方優先で、10月7日頃をめどに一般販売を行う予定です。

現代版組踊「肝高の阿麻和利」の公式ページはコチラです。

 

リザンシーパークホテル谷茶ベイ・敬老の日公演

令和元年9/15(日)にリザン敬老の日スペシャルイベントとして『肝高の阿麻和利』
現代版組踊「肝高の阿麻和利」特別公演と選べるスペシャルランチバイキング

『肝高の阿麻和利』特別公演の詳細はコチラをご覧ください。

 

参考資料:きむたかの翼 上江洲安吉著

後記:最初、東京を中心に活動する「沖縄ファンクラブ」の総会に平田大一さん、OBで現在演出を手がける蔵當慎也さん、OB、OG達のみなさんに来ていただいてその一部を披露していただいたところからの出会いです。私自身、東京国立劇場で見ただけで、まだまだその奥深さに気がついていないところも多いと思います。しかしながら、その感動は、中高生が一生懸命に演じる姿を見れば誰もが味わえることではないでしょうか。そして、毎年、卒業生が出て行き、新しい子供達が入ってきます。また、進化していく『肝高の阿麻和利』を楽しみにして行きたいものです。本当に「一生懸命はかっこいい」ですね。

TOP写真提供:あまわり浪漫の会 東京国立劇場『肝高の阿麻和利』より

現代版組踊「肝高の阿麻和利」の公式ページはコチラです。

2019年9月5日公開、2019年9月26日更新

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