沖縄では豊作を願い各地で神事としての綱引きが行われます。その中でも那覇大綱挽、糸満大綱引、与那原大綱曳が沖縄の三大綱引として盛大に行われます。その盛大さにはびっくりさせられますが、なんと、与那原町には与那原大綱曳資料館という綱曳専門の資料館があるのです。同じ見るなら綱曳のことをよく知って、楽しみましょう!
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1983年(昭和58年)に与那原町商工会青年部が発刊した「与那原大綱曳」の中にある座談会によると昭和22年頃に復活したと語られていますが、特に沖縄本島南部においては、戦災によりのうちの多くが壊滅しており、比較的作りやすい甘藷が優先されており、稲わらを入れていた玉城村の稲作増産体制に入れたのが、昭和23年頃という説もあり、正確には記録が残っていない状況です。
那覇大綱挽、与那原大綱曳、糸満大綱引が沖縄の三大綱引ですが、すべて「ひき」の字が違います。なぜ、異なる漢字が使われるのかは不明ですが、それぞれの意味を調べてみると「挽き」はコーヒー豆を挽くやものを手前に挽き寄せる意味があります。「曳き」は馬を曳くや車などで曳き寄せる時に使われます。「引き」は一番一般的に使われる字で,正に引っ張る意味があります。
与那原大綱曳資料館は、2022年4月2日に与那原町役場(かなちホール)東側に移転しました。1階が与那原町社会福祉センターになっており、与那原大綱曳資料館に入館するには、写真の建物左側から2階に上がっていきます。12:00~13:00が昼休みになりますので要注意です。
与那原大綱曳資料館の中央に横たわっている西方の雌綱と奥に雄綱。綱の前にあるカナチ棒は39年間使用された重さ68kg、長さ3.2mあります。
支度(シタク)になった気分で記念撮影。
出典:YONABARU NAVI
与那原大綱曳の最大の特徴は、綱の上に支度(シタク)と呼ばれる歴史上の人物に扮した人が、道じゅねーから綱の上に乗り、練り歩きます。カナチ棒が差し込まれ、勝負が始まる瞬間、支度は綱から降ります。
写真左から「船頭」「屋慶名大屋」「阿麻和利」になります。琉球史劇「護佐丸と阿麻和利」の二幕「与那原の浜」からとられています。
与那原大綱曳は勝負を二回行います。その二回ともに違う演目の支度が乗ります。1度に東西あわせて6人から8人乗るので、12人から16人の支度が必要になります。組踊の創始者玉城朝薫作の「執心鐘入」や「二童敵討」などから支度が選ばれていきます。
綱は毎回各自治区で作って、それを束ねて大綱にしていきます。
綱打ち体験は3人以上で事前予約が必要です。
綱作りの道具であるヤーマを使った体験は6人以上で事前予約が必要です。
綱曳きの応援団的な旗頭(はたがしら)。実際は45kg~60kgありますが、ここではそれより軽い練習用の旗頭があります。持ち上げてみましたが、30kgでも結構重いです。持ち手がどんどん交代していきますが、そんなに長く持てるものではないですね。
ソーグ(鉦鼓)を打つソーグ打ちに、ドラ(銅鑼)を叩き、法螺貝(ボラ)を吹くボラフチャーは前舞いとともに綱曳きを盛り上げる大事な「音」です。
3Dシアターの中に入ると、360度フルスクリーン。綱曳き会場の最前列にいるかのごとく大迫力の綱曳きが味わえます。臨場感のある映像は数パターンあるので、いろいろ試してみてください。
綱曳きに関する情報をしっかり勉強した上で、綱曳きに参加するとより楽しみが高まるでしょう。
沖縄の三大綱引はいつある?那覇大綱挽、糸満大綱引、与那原大綱曳に参加しよう!の記事はコチラです。
住所 | 沖縄県島尻郡与那原町上与那原16−2 |
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電話 | (098)945-0611 |
開館時間 | 9:30~16:30(12:00~13:00昼休み) |
休館日 | 毎週火曜日 、祝祭日 、年末年始 (12/29~1/3)、慰霊の日 (6/23) |