浦添城跡は、琉球王国(1429-1879)が誕生する前、三山時代と呼ばれているころの中山(ちゅうざん)の城跡です。中山が、北山、南山を吸収して琉球王国になったわけですから、琉球王国の原点がここにあるといってもいい場所です。そんな浦添城跡を浦添てだこウォークに参加する形で5kmを歩いてみました。
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浦添大公園南エントランスから浦添城跡に入っていきましょう。てだこウォークの5kmと10kmのコースが合流する場所ですから、多くの参加者の姿が見えます。この道は首里城につながる石畳道があった場所で、写真で見られる上部の方に一部残されています。
この写真の右手の方に少し行った場所が新しくできたゆいレール「浦添前田駅」になります。
石畳を上がりきったところから見たゆいレールで、写真やや左が浦添前田駅になります。(2019年2月2日撮影)ちょうど「浦添城の前の碑」が立つ場所からの撮影です。
浦添城と言っても、こちらから入るとお城らしくは感じません。このように芝生の広場が広がっています。沖縄戦の際には「前田高地」(米軍からはハクソー・リッジ)と呼ばれた場所で、約3週間、11回にわたり米軍と日本軍が戦った場所です。
眺めは最高で、宜野湾市や北谷の方まで見ることができました。
その一角にあった「ディーグガマ」です。元々鍾乳洞があった場所が陥没してできた御獄(うたき)です。デイゴの木があった洞穴が名前の由来です。戦後は戦没者の遺骨をおさめましたが、現在は糸満市摩文仁に移されています。洞穴の中は陥没の恐れがあるので、入ることはできません。
少し、下ると城壁が見えてきました。この城壁を逆側から見ると・・・
沖縄戦の際には壊滅的な状態でしたが、戦後少しずつ復元していき、現在の姿を見ることができます。琉球王国をはじめとする沖縄の歴史を語るときに、重要な位置にあった場所ですから、是非訪れていただきたい場所です。
この時は浦添てだこウォークの日なので、この場所にガイドの方がいらっしゃいました。「うらおそい」と書かれたTシャツを着ていたので尋ねると、「うらそえ」の語源になっていて、「津々浦々を襲う、支配する」の意味があるそうです。中山は舜天、英祖、察度の王統の居城であり、琉球王尚巴志は中山王から三山を統一して首里城に拠点を移しています。察度王の時代に、冊封を受け中国と交易を初めたのも中山からなのです。まさに勢力を持つ都市として「浦添」があり、「うらおそい」という言葉が出てきたものかと考えられます。
伊波普猷(1876-1947)は那覇市出身の民俗学者で、沖縄学の父と呼ばれた人。「彼ほど沖縄を愛し、憂えた人はいない」と顕彰碑に書かれていて、沖縄の良さを知り尽くし、戦争で米軍に占領された沖縄の将来を案じた方です。現在の京大と東大で言語学を学び、東大在学時に浦添が沖縄の古都であったことを論文にするなどして、故郷に帰ったから県立図書館の館長もつとめていました。
第2尚氏7代目琉球王の尚寧王(向かって左)と英祖王(向かって右)が眠る陵墓です。尚寧王がなぜ玉陵でないのか、疑問も出てくるところですが、「ようどれ」とは「夕凪(ユードゥリ)」のことで、安らかに眠るようにという意味から「墓」を意味するようになりました。世界遺産「玉陵」は国宝に答申された第二尚氏王統の陵墓!の記事はこちらです。
浦添グスク・ようどれ館には、浦添ようどれの内部を実物大で再現しています。写真は厨子と呼ばれる、いわゆる骨壺です。この中に王が眠っていることになります。
浦添八景の一つ「当山の石畳道」を下っていきます。普天間宮に続く国王の参詣道でありました。
同じ位置から石畳道を見てみましょう。
高低差があることがよくわかりますね。
馬が転ぶほどの急な坂道になっているので「馬ドゥケーラシ(馬転ばし)」と呼ばれるほどです。下りの道を森林浴しながら散策するのも気分がいいものです。
浦添グスク周辺は、浦添大公園となっていて、歴史的な場所でもあり、自然豊かな場所でもあって、子供達の遊びとして遊具も揃っている場所です。また別の機会に他の場所はお伝えします。
この浦添てだこウォークは2019年2月2日と3日の二日間開催。松本市長とヤクルトスワローズのつば九郎に見送られての出発です。このあと、「浦添のキャンプキンザー・サンセットウォーク&屋富祖で乾杯!」の記事で紹介しているコースもあって、1日で35000歩、歩きました。屋富祖まつりでのビールの美味かったこと!
5kmと10kmのコース図です。30kmコースもありましたがとても私には取材不可能でした。
完走証と明治メイグルトをいただきました。ヤクルトスワローズのキャンプ地なので、ヤクルト商品かと思いましたが違いました。
ゴールはヤクルトスワローズのキャンプ地です。すぐ隣にヤクルトが練習していたので、コチラの記事もお楽しみください。
プロ野球沖縄キャンプイン!浦添市のヤクルトキャンプ編の記事はこちらです。